4月29日、京セラドーム大阪で行われたオリックス対埼玉西武の第6回戦は、吉田正尚選手に豪快な決勝弾が飛び出したオリックスが、5対3で逆転勝利。「オリックス・ブルーウェーブ」のユニホームをまとい、全員が仰木彬氏の背番号を背負った平成最後のゲームで、一進一退の攻防を制した。

　試合は初回から動きを見せた。2死3塁で埼玉西武の4番・山川穂高選手が、オリックスの先発・アルバース投手の投じた2球目を力強く振り抜き、レフトスタンドへ飛び込む第11号2ラン。「打った瞬間にホームランになると思いました！」と語るホームランキングの満足げな一発で、埼玉西武が2点を先制した。

　だが4回裏、埼玉西武先発の十亀剣投手が突如乱れ、オリックス打線がその隙を突いた。先頭の佐野皓大選手の安打と盗塁、続く吉田正尚選手の四球などで2死1,3塁の場面。打席に立ったドラフト7位ルーキーの中川圭太選手が、期待に応える同点タイムリーを放つ。「前の打席ではインコースのボールで打ち取られていたので、振り負けないように打席に入りました」と言う若手の一打で、試合は2対2と振り出しに戻った。

　その後は両軍ともに譲らない展開が続く。埼玉西武は5回表、木村文紀選手のタイムリーでリードを奪うが、オリックスも食らいつく。5回裏1死から、西浦颯大選手が絶妙なセーフティバントで出塁すると、福田周平選手がライト線へ打球を運び、一塁走者が一気に生還。再びスコアは3対3の同点となった。

　6回、7回は両チームとも無得点に終わったが、8回表にオリックス・澤田圭佑投手が満塁のピンチをしのぐと、その裏、頼れる主砲が試合を決めた。この回からマウンドに上がった埼玉西武・小川龍也投手に対し、2死3塁から吉田正尚選手が放った一撃は、ライナーで右翼席中段に突き刺さる第6号2ラン。値千金の勝ち越し弾で、オリックスが逆転に成功した。

　オリックス2点リードで迎えた最終回、マウンドに上がったのは守護神・増井浩俊投手。7番から始まる埼玉西武の攻撃を危なげなく抑え、試合終了。オリックス対埼玉西武の第6回戦は、5対3でオリックスが勝利し、連敗を3で止めた。

　最後まで勝負の行方が分からない一戦だったが、最後は吉田正選手に一発が飛び出したオリックスが逆転勝ち。四球連発で逆転負けした昨日のリベンジを果たした。敗れた埼玉西武は、先発・十亀投手が7回3失点と粘りの投球を見せるも、平成最後のゲームで接戦をものにすることができなかった。