福岡ソフトバンクは、2019年4月22日、「タカガール♡デー in TOKYO」を実施した。お馴染みの女性向けイベント「タカガールデー」を、初めて東京ドームで行ったこの日。満員御礼となる43,063名を動員し、女性ファンの数は56%を占める24,135名(※1)にのぼった。
では実際、本イベントはどれほど丹念に女性のニーズに応えていたのか? 「パ・リーグインサイト」編集部の女子スタッフ3名が現地の声を拾いながら、自身も自然に楽しんでみた。
ピンクと水色の応援グッズが素直にかわいい
スタッフがまず驚いたのは、開場の3時間以上も前から、ドーム外周がホークスファンで賑わっていたことだ。地元からはるばる訪れたファンも少なくはないようで、雑踏の中で何度か福岡弁を耳にした。
グッズを手に開場を待っていたほしさん(タカガール歴6年)とともさん(同4年)に話を聞くと、「念願の初タカガールです」と笑顔を見せてくれた。遠い関東でホークスを応援するファンには、待望のイベントだったことだろう。
なお、この2人が持っていたのは全9選手デザインの応援タオル。水色と白のフォントがおしゃれだ。配布ユニホームと同じ柄のクリアツインメガホンや、派手すぎないハート柄のポーチなど、「グッズはどれも、日常使いできそうなかわいさでした。“野球グッズ”として見なくてもセンスが良いものは欲しくなりますよね」(スタッフA子)と好評だった。
ピンクは悲しむ女性を減らしたいという思いの象徴でもある
ところで、「タカガールデー」のテーマカラーはピンク色だが、それがなぜなのか、理由をご存知だろうか?
「タカガールデー」は、2006年に「女子高生デー」の名称でスタートしたが、3年後、テーマカラーをピンクとし、ピンクリボン運動と連動した活動を開始した。この日も、「乳がん早期発見のための啓発」や「乳がん患者と家族のケアおよびサポートの充実」を目的とする認定NPO法人「ハッピーマンマ」へ寄付の呼びかけが、球場内で行われていた。
「ピンクが基調なのはピンクリボン運動のためだというのは、今回初めて知ったことです。配布されたうちわにも、乳がんのセルフチェックの方法が書いてありました。誰しも他人事ではないですよね。啓発のための工夫がすばらしいと思います」(スタッフB美)
球場で「タピる」!? トレンドを取り入れたグルメ
始球式に「劇団EXILE」の鈴木伸之さん、国歌斉唱にシンガーソングライターの川嶋あいさんという豪華ゲストを招き、試合開始。この頃には場内はピンク一色に染まっていた。
「壮観でした。スコアボードなどの球場装飾もすべてピンクで、凝っていましたね」(B美)「野球観戦は“非日常を楽しめる”ことも醍醐味だと思います。東京の真ん中でタカガールの世界観に浸ることができました」(スタッフC乃)
また、イベントと言えば限定グルメ。特に厚い支持を得たのは「タカガールストロベリータピオカフロート」だ。「ストローもタピオカも全部ピンクでかわいくて、思わずタピりたく(タピオカを飲みたく)なりました」(A子)「野球場でタピれるなんて……。ボリュームがあり、甘酸っぱくて飲みやすいと思います」(C乃)
涙のヒーローインタビュー、要注目のイケメン鷹戦士も
そして、ピンクのエールに包まれた肝心の試合内容は、痺れるような投手戦の末に、内川聖一選手の決勝ホームランで福岡ソフトバンクが勝利。詰めかけた女性ファンを、真剣勝負とエンターテインメントの両方で満足させるという、最高の結果に終わった。
しかもヒーローインタビューでは、これまで極度の不振に陥っていた内川聖一選手が、「自分が弱くなっていく気がして……」と、苦しかった胸の内を吐露。「(ホームランは)奇跡じゃないか」と目に光るものを見せる稀代の巧打者に、スタンドからあたたかい拍手が送られるという、ドラマチックな一幕も見られた。
また、中継ぎとしてプロ初勝利を挙げ、お立ち台で大ベテランと肩を並べたドラ6ルーキー・泉圭輔投手に対しては、女性ファンから「かわいい」「顔が小さい」という声が多々聞かれた。多くのイケメン選手を擁するチームの人気は、ニューフェイスの登場でますます盤石なものとなりそうだ。
「野球ファンの女性なら、楽しめること間違いなしです」(A子)「ひと味違った観戦体験ができました。ぜひまた行きたいです!」(B美)「勝ち負けは左右できないものですが、イベントに力を入れている中で、劇的な形で試合にも勝つなんて、もう“最強”ですね!」(C乃)
「タカガールデー」は、5月11日、12日にも、ヤフオクドームで開催される。生え抜きの育成に定評のある常勝軍団でありながら、ファンを楽しませるための革新的な試みを、長年続けている福岡ソフトバンク。
女性ファンの獲得に成功し、ピンクリボン運動のような社会貢献活動に注力していることは、プロ野球界全体の将来にとっても大きな意義を持つはず。毎年パワーアップする「タカガールデー」を、今後も楽しみにしたい。
(※1)ビジター応援席を除く女性来場者に配布されたユニフォームの枚数
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