通算449号のゲレーロ氏、大谷選手は「成功に必要な要素を全て持っている」
今年、米国野球殿堂入りが決まったブラディミール・ゲレーロ氏が25日(日本時間26日)、米アリゾナ州テンピにあるエンゼルスのキャンプ施設で「母国ドミニカ共和国とラテンアメリカを代表できて幸せだ」と喜びを語った。
ドミニカ共和国出身の元外野手は、1996年にエクスポズの一員としてメジャーデビュー。豪快なスイングでストライクゾーンを大きく外れる球でもホームランにしてしまう“悪球打ち”で人気を博した。
守備でも、右翼から本塁へノーバウンドで送球し、走者を刺す離れ業を何度も披露。エンゼルスでは2004年から6シーズンプレーし、主砲として常勝軍団を支えた。
その後、レンジャーズ、オリオールズを経て2011年を限りに現役を退くまで、通算16年のメジャー生活で打率.318、449本塁打、1496打点を記録。2004年にMVPを獲得した他、球宴選出9度、シルバースラッガー賞8度の功績を残した。
エンゼルスの一員として殿堂入りするゲレーロ氏は、24日(同25日)から臨時コーチとしてキャンプに参加。大谷翔平投手が実戦デビューした同日ブルワーズ戦で始球式を行うと、ファンから大きな拍手と歓声が沸いた。
その後、ダグアウトから試合を観戦したが、大谷の投球を一目見ようというチーム関係者で大混雑。
「ベンチのフェンス沿いに人垣ができてしまい、じっくり見られなかった」と苦笑いしたが、「見た限りでは素晴らしいボールを投げていた。エンゼルスの一員になってくれてうれしい。彼はメジャーで成功に必要な要素を全て持っている」と太鼓判を押した。
ゲレーロ氏が大谷に伝えたい言葉とは、「彼の才能は輝くはず」
母国を離れ、言葉も文化も違うアメリカ合衆国でプレーすることの大変さは痛いほど分かる。
ドミニカ共和国出身選手ではペドロ・マルティネス氏に続き2人目の殿堂選手となった大砲は、殿堂入り式典のスピーチで、野球を離れた生活面でも適応しなければいけない外国人選手の苦労にも触れる予定。
大きな期待を一身に集めながらプレーする重圧も知るだけに、異国でチャレンジする大谷選手に伝えたい言葉があるという。
「始まりより終わりが大事。始まりが問題ではなく、最後にどんな形で終われるかが重要だと思うんだ。いいスタートが切れたとしても、そこから成長して、さらにいい終わり方ができるように目指してほしい。
私が(ナ・リーグの)エクスポズからア・リーグのエンゼルスに移籍した時も、最初の1カ月はアジャストするのが難しかった。ましてや大谷は違う国から来たのだから、アジャストはさらに難しいだろう。だが、彼の才能は輝くはず。いいスタートを切れるように祈りたい」
“二刀流”で注目を集める大谷選手が、これから10年後、20年後にはどんな選手に成長を遂げているのか。始まりより終わりが大事。挑戦は始まったばかりだ。
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