観客255人の中で生まれた偉業 ホークス4年目・育成左腕が3軍で完全試合を達成

Full-Count 広尾晃

2019.4.18(木) 08:38

福岡ソフトバンク・渡辺健史※写真提供:Full-Count(写真提供:福岡ソフトバンクホークス)
福岡ソフトバンク・渡辺健史※写真提供:Full-Count(写真提供:福岡ソフトバンクホークス)

16日の四国IL高知戦で完全試合を達成した渡辺健史

 4月16日、福岡ソフトバンクの育成左腕・渡辺健史投手が高知市野球場で行われた四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスとの交流戦で完全試合を達成した。

 福岡ソフトバンク3軍は、四国アイランドリーグplusの4球団と年間各8試合の交流戦を行っている。昨年は福岡ソフトバンクの15勝9敗8分だった。四国アイランドリーグplusにとってはこれも公式戦に含められ、ペナントレースに算入されている。また福岡ソフトバンク3軍側から見ると公式戦ではないが、球団ホームページでは3軍成績として、四国アイランドリーグplusとの対戦も含めた結果が公表されている。

 渡辺健史は、1997年9月9日生まれの21歳。地元福岡県出身。飯塚高校から2015年育成ドラフト1位で福岡ソフトバンクに入団。178センチ77キロと小柄な左腕だが、切れの良いスライダーが持ち味。

完全試合の経過

1回
(中)高井悠生 一飛
(右)藤原銀二郎 一ゴロ
(左)浜将乃介  三振
2回
(指)宮田孝将 中飛
(三)若原翔平 三振
(遊)日高優斗 投ゴロ
3回
(一)田久見大地 遊直
(捕)金子隆浩 二ゴロ
(二)佐藤博泰 二ゴロ
4回
(中)高井悠生 三振
(右)藤原銀二郎 遊ゴロ
(左)浜将乃介 遊ゴロ
5回
(指)宮田孝将 三振
(三)若原翔平 三振
(遊)日高優斗 左飛
6回
(一)田久見大地 三振
(捕)金子隆浩 遊ゴロ
(二)佐藤博泰 三振
7回
(中)森下貴裕 三振
(右)藤原銀二郎 遊ゴロ
(左)浜将乃介 左飛
8回
(指)宮田孝将 投ゴロ
(三)安田寿明 三ゴロ
(遊)日高優斗 右邪飛
9回
(一)田久見大地 中飛
(代)長谷川快 左飛
(代)サンフォ・ラシィナ 三振

 試合は3-0で福岡ソフトバンクの勝利。渡辺健史の投球数は107球。被安打0、四死球0、奪三振9、内野ゴロ10、内野フライ2、外野フライ6だった。2時間12分での偉業達成。観客は255人と少なかったが、達成の瞬間拍手が起こった。

 駒田徳広監督率いる高知ファイティングドッグスは1、2年目の若手選手が中心。最後の打者はブルキナファソから野球留学にきて6年目のサンフォ・ラシィナ。サンフォは、ブルキナファソ代表として東京五輪の予選にも出場している。

 過去にNPB2軍では完全試合は4例記録されているが、3軍での記録はない。渡辺健史は、2016年に福岡ソフトバンクに入団したが、2016、17年と2軍公式戦にも出場しなかった。昨年、ようやく2軍で15試合3勝1敗43回19奪三振15与四球、防御率2.30という成績を残した。

 3軍制を敷く福岡ソフトバンクの選手層は厚いが、今を時めく正捕手・甲斐拓也も、3軍選手として四国アイランドリーグplusとの交流戦でプレーしていた時期があった。やや出遅れた渡辺健史だが、ここからの奮起に期待したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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