その美しいフォームをまだまだ一軍マウンドで。オリックスのチーム最年長投手・岸田護

パ・リーグ インサイト

2018.1.18(木) 00:00

若手投手の台頭が目立つオリックス。そのチーム最年長投手は、岸田護投手、36歳だ。8年ぶりの「先発再挑戦」を掲げて臨んだ昨年だったが、一軍登板はわずか4試合に終わった。シーズン成績は6回0勝0敗、防御率3.00だった。

地元・大阪府出身の岸田投手。180センチのすらりとした体格でマウンドに立つ彼の特徴として、美しい投球フォームを思い浮かべる人も少なくはないだろう。ゆっくりと足を上げ、鋭く腕を振るスタイリッシュなフォームから繰り出すチェンジアップと、最速152キロの直球を武器に、12年間で通算415試合44勝62ホールド63セーブを積み上げてきた。

履正社高校、東北福祉大学、NTT西日本を経て、2005年のドラフトでオリックスから3位指名を受けてプロ入り。2年目に救援として一軍に定着すると、シーズン途中で先発に転向して初勝利を挙げる。4年目には初の2桁勝利を達成するが、翌年は中継ぎに再転向。平野佳寿投手(ダイヤモンドバックス)とともに「勝利の方程式」を担い、2011年にリーグ2位の68試合登板、同じくリーグ2位の33セーブを記録した。

2016年は16試合で防御率7.90という結果に終わったため、プロ12年目の昨年は「先発再挑戦」を目指し、新しいトレーニング法を導入するなど気合十分。ところが、先発登板の機会が訪れたのは4月29日の福岡ソフトバンク戦のみで、それも制球に苦しみ3回66球、1失点。ファームでは23試合4勝4敗4セーブ、防御率3.45という成績を残したものの、一軍ではプロ入り最少の登板数となる不完全燃焼のシーズンを送った。

オリックス一筋13年。今年に懸ける思いは言うまでもなく強く、ベテランとしての意地もあるはずだ。しかし岸田投手はあくまでも飄々として、平野投手や金子千尋投手、ひと回り以上離れた若手の才能に対して賞賛を惜しまず、その成長に目を細める。

近頃は、いつか来る野球人生の終わりを意識した発言も増えてきた。逆に言えば、それほど長い間、岸田投手はチームのために力を尽くしてきたということだ。謙虚な姿勢と柔らかい物腰で「お父さん」と慕われる背番号18。今年一軍マウンドで、再びあの美しいフォームで、彼が輝く日を待ち望んでいる。

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