1月10日、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグのサンディエゴ・パドレスへ移籍する牧田和久投手が、晴れやかな顔で移籍報告会見を行った。
平成国際大学、日本通運を経て、2010年にドラフト2位で埼玉西武に入団した牧田投手は、球界では非常に珍しいアンダースロー。直球の球速は130キロ台だが、緩急自在の投球で数多の強打者を幻惑させてきた。ルーキーイヤーは先発も務めたが、シーズン途中から抑えに転向。55試合5勝7敗22セーブ、防御率2.61という成績で新人王に輝いている。
2年目以降は主に先発として活躍した。2012年に13勝を挙げ、2013年は3・4月度月間MVPを獲得。テンポのいい投球で、自身のペースに打者を巻き込むスタイルも牧田投手の武器であり、2015年からは3年連続でスピードアップ賞を受賞している。
チーム事情で先発・中継ぎ・抑えと様々な役割を任されていたが、2016年からは中継ぎに定着。昨年は自身最多の58試合に登板し、3勝3敗28ホールド防御率2.30という好成績を残した。2013年の「第3回WBC」、2014年の「SUZUKI 日米野球」、2015年の「WBSCプレミア12」、昨年の「第4回WBC」などにおいて侍ジャパンに選出され、いずれも世界を相手に堂々渡り合っている。
報告会見では、メジャーリーグ挑戦を決意したきっかけについて、「一番はWBCの代表に選ばれたこと。昨年のオランダ戦で投げたときに手ごたえあるのかなと」と語った牧田投手。1年目となる今年の目標は「1年間ケガをせずにチームのために投げることをしたいと思います。おそらくリリーバーだと思うので、40試合、50試合、60試合、70試合まで行けば十分だと思うので、数多く投げられたらなと思います」と言う。
埼玉西武の辻監督は、「彼の野球人生でMLBを願って今回決まったということは、残念なところもありますが本人の選んだ道なので気持ちよく送り出してあげたい。今シーズンのパドレスでの活躍を期待しています」と、献身的にチームを支えた右腕にエールを送った。メジャーリーグでも貴重なサブマリンは、低迷するパドレスに新たな風を吹き込むだろう。ナ・リーグ西地区には、ダイヤモンドバックスも所属している。平野佳寿投手との「元パ・リーグ投手」の投げ合いも楽しみだ。
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