大学時代に最速155キロをマークした右腕、辻監督からは「いつ出すんだ?」
埼玉西武のドラフト1位・松本航投手(日本体育大学)が9日に行われる東北楽天とのオープン戦(倉敷)で初先発することになった。即戦力ルーキーが、いよいよベールを脱ぐ。
2月26日の斗山ベアーズとの練習試合(サンマリン)以来の登板となる松本航は「身体が入りすぎてしまっていた」というフォームをブルペンで修正し、オープン戦初先発に備える。大学時代は最速155キロをマークしたこともある右腕だが、実戦登板ではいまだ150キロを超えていない。「辻監督にも『いつ(150キロ)出すんだ?』と言われました。だけど自分は球速よりも質を重視したいです」と初々しくはにかんだ。
松本航が対戦を心待ちにしている打者がいる。東北楽天のドラフト1位・辰己涼介外野手(立命館大学)だ。2014年の7月。明石商高のエースだった松本航は辰己擁する社高校と兵庫県大会準々決勝で対戦し、敗れた。それぞれ大学に進学してからは大学日本代表で顔を合わせる旧知の仲となった2人が、プロの世界で再び手を合わせることになる。「対戦したいですね。抑えたい」と数年越しの対決を夢見た。
松本航はオープン戦に帯同し、ヤフオクドームでは福岡ソフトバンクとの試合をモニター観戦。画面越しの試合をどこか“他人”のように見つめ、試合前の打撃練習では相手のバッターたちのバッティング練習に度肝を抜かれた。
しかし、大学時代に比べランニングの量が増えたことで入団時から着用してきたユニフォームをきつく感じているという。その身体はもうプロ仕様に仕上がっている。大学ナンバーワン右腕から、プロの世界で新人王へ。松本航の本領発揮はこれからだ。
(安藤かなみ / Kanami Ando)
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