移籍1年目でともにキャリアハイ。大田選手と公文投手のトレードはさらなる飛躍のきっかけとなるか

パ・リーグ インサイト

2017.11.24(金) 00:00

昨年のシーズン終了後、北海道日本ハムと巨人の間で、2対2の交換トレードが成立した。巨人から北海道日本ハムに移籍し、栗山監督から「右の大砲と左ピッチャー。喉から手が出るほど欲しかった。キラキラと輝くように、持っているものを一軍で出せるようにしてあげたい」と期待を寄せられた大田選手と公文投手。古巣でなかなか結果を残せなかった2選手は、新たな気持ちで新天地でのシーズンに挑んだ。

両選手ともに、春季キャンプは一軍で過ごす。迎えたオープン戦で、公文投手は9試合に登板して1勝0敗1セーブ、防御率1.13という優秀な成績を残し、見事に開幕一軍を勝ち取る。一方、大田選手は怪我の影響もあって、二軍で開幕を迎えることになった。

新天地で好スタートを切った公文投手は、貴重な左の中継ぎとして期待され、開幕戦の初登板から3試合連続の無失点リリーフを見せた。しかし、4試合目の登板では1回2失点。さらに4月20日のオリックス戦で1死も取れず自責3。防御率は10.13まで悪化し、翌日登録を抹消された。

約1カ月間のファームでの調整期間を経て、一軍のマウンドに戻ってきたのは5月28日の福岡ソフトバンク戦。そこから6月15日の中日戦まで9試合連続で無失点に抑える。14日の中日戦では、延長11回裏に7番手として1回を無失点に抑えると、12回表に味方が勝ち越しに成功。プロ5年目にして初の白星を挙げた。

その後も好リリーフが続き、6月は12試合に登板して2勝、防御率1.00と、トレード時の期待に応える活躍。7月は疲労からか打ち込まれる試合もあったが、再びのファーム調整を経てシーズン終盤に再昇格を果たすと、9月10日から10月5日まで12試合に登板、全て無失点に抑えた。最終的な成績は41試合3勝0敗3ホールド、防御率2.70。巨人時代の4年間で通算15試合、未勝利に終わっていた左腕は、新天地で飛躍の1年を送った。

一方、怪我の影響で開幕一軍はならなかった大田選手。4月23日に一軍に昇格すると、即スタメン起用されて早速移籍後初安打。同29日の楽天戦では、新しい本拠地となった札幌ドームで移籍後初本塁打を放った。交流戦では古巣・巨人から豪快な2試合連続アーチを描き、打率3割もマークし、瞬く間に外野の定位置を確保する。

しかし夏場になると打撃不振に陥り、8月は快音が聞かれず。9月のオリックス3連戦では12打席無安打とトンネルに突入する。それでも栗山監督が起用し続けたことで徐々に復調、自身初の規定打席に到達してシーズンを終えた。最終的にキャリアハイの118試合に出場し、110安打15本塁打46打点、打率.258。巨人時代の8年間で通算9本塁打と苦しんでいた大砲候補は、新天地でようやくその大器の片鱗を見せ付けた。

伸び悩んでいた大砲候補と左腕が、トレードでやってきた北の大地でその才能を開花させ、ともにキャリアハイの成績を残す飛躍の1年を過ごした。初めてシーズンを通して戦う中で、想像を絶する疲労や不調も味わい、主力を務めることの難しさを痛感したことだろう。しかし同時に、「試合に出てチームに貢献する」という何にも代え難い喜びも知ったはずだ。今季自身が身をもって学んだことを生かしながら、両選手は2年目のシーズンに挑戦する。

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