同じ轍を踏まないよう万全を期す「本当はブルペンにも入れるんですけど…」
連覇を狙う埼玉西武の開幕ローテーション候補の一人、榎田大樹投手が12日、右ハムストリングの張りにより別メニューでの調整を行った。
「阪神時代からこの時期にいつも出るんです」という右ハムストリングの張り。榎田にとっては4年前から付き合ってきている体からのシグナルで「疲れているってことですよ」と、南郷名物の階段を登りながら笑顔で答えた。
これまでは、結果を出さなければいけない立場から無理して故障につながり、春先の出遅れにつながることがあった。実際に「去年(移籍前の)阪神の時に(足を)やってしまった」とのことで、移籍直前は投球ができなかったという。だが今回は「そこまでいかないようにセーブしています。何度も経験しているので」と、同じ轍を踏まないよう万全を期しての別メニュー調整だ。
現在、埼玉西武A班投手陣は続々とシート打撃や打撃投手として打者相手に登板しているが「相手は味方なので、別のチームの打者に投げた時に、どう反応してくるか。去年とどう違うのかとか見たい」と話す。元々、「打者の反応を見て投げたいタイプ」の榎田は対外試合からの登板を視野に入れており、小野コーチからも「高知からでいい」と、調整を任されている。
この日は、投手陣が投内連携を行っている間、入念にキャッチボールや遠投を繰り返していた榎田。「本当はブルペンにも入れるんですけど、トレーナーさんに止められているんです。『腹六分目にしときましょう』って。『腹六分も行ってない』って言ったら笑ってました」と笑顔で語った榎田。その表情は、一点の曇りもなかった。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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