増田は今キャンプ6度目のブルペン入り
埼玉西武・南郷キャンプ第3クール初日。昨年、2勝4敗14セーブ2ホールド、防御率5.17に終わった元守護神・増田達至投手が今キャンプ6度目となるブルペン入り。変化球を交えながら56球を投げ込んだ。
自らの状態を「いい時と悪い時の差が激しいのですが、いい時はいいので、順調にきていると思います」と、語る増田。「それ(いい時)を継続できるようにと思いながらやっています。疲れてくると難しいところもあるのですが、疲労がある中で、どれだけいいフォームで投げられるかを意識してやっています」と、明確なテーマを持って、着実に調整を行っている。
初日から捕手を座らせての投球だったが、ここまで増田は2日連続ブルペンに入った翌日は休みという「2勤1休」で、投球練習を行っている。これは「僕はリリーフでの登板がメインなので、やはり連投を意識してやっています」と、シーズンを想定してのことだ。
この日はカーブを投げるシーンが目についた。「カーブを投げる時は、体を後ろに残すイメージで投げているので」と、投球時の重心移動を意識する意味合いもあるが、「昨年、ファームに落ちてから『いろんな球種を使おう。いろんな引き出しを使おう』と思うようになって」と、昨シーズン終盤、実戦でも使用したボールとして、精度を上げることももちろん含まれている。
昨年はクローザーとしてスタートも、2軍落ちも経験
武器の一つでもあるスライダーには自信を持っており「今は違うボールを練習しておきたい」と語り、フォークも今後、精度を上げていくつもりだ。投球フォームには「僕は投げる時に左肩がちょっと上がる感じになるのですが、それをあまり上がらないよう、右肩と並行になるくらいで投げたらどうか」と、コーチ陣からアドバイスを受け、その部分を意識しながら投球を行っている。
打者側に突き出す左肩が上がることにより、ボールを離す時に「もっと(ボールを)持たないといけない」という意識が生まれていたようだが、左右の肩が並行に近い形になることで「少し楽にボールを前で離せるようになる」という。これで、より球持ちが良くなり、打者としてはタイミングが取りづらくなるというわけだ。
昨年はクローザーとしてスタートしたものの、ファーム落ちも経験した増田。守護神返り咲きへのこだわりはあるのだろうか。「まずは開幕1軍。そして1年間1軍で戦うことを目標に置いています。1年目の時と同じような気持ち。(チーム内で)競争してポジションは勝ち取りたいと思ってはいますが、どこで投げるというこだわりはないです」と、1年間チームの戦力として貢献することに重点を置いている。
その先に見据えているのはもちろん「リーグ連覇」、そして「日本一」だ。昨年、チームはリーグ優勝を果たしたものの、個人としては苦しいシーズンに終わった元守護神。持てるポテンシャルをフルに発揮し、リーグ連覇を現実のものとするのか。まずは今後登板が予想される実戦形式での投球に注目だ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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