「彼の打撃を良くしたい気持ちは分かるのでちょっとでも手伝えたら」
福岡ソフトバンクの工藤公康監督が、今キャンプ初となる打撃投手を務めた。宮崎キャンプ第3クール初日の9日、全体練習終了後に室内練習場で甲斐拓也捕手を相手に緩いボールだったが、約1時間、ボールを投げ続けた。
全体練習が終了し、甲斐が特打を終えた後だった。立花義家打撃コーチ、関川浩一打撃コーチからアドバイスを受けていた。そこに工藤監督、さらには王貞治球団会長も加わり、総出で打撃指導が行われた。そこから場所を室内練習場に移すと、工藤監督との“マンツーマンレッスン”が始まった。
地面に寝そべり曲げた膝を左右に振るストレッチを行うと、そこから工藤監督が投げる緩いボールを次々に打ち返し、再びストレッチ。これを約1時間繰り返した。工藤監督は「打撃のアドバイスはしていないよ」と語り、練習の意図を「体の動き、体幹の動きが固いんじゃないか、ということで。動きを作りながらやってみたら、どうかとね。肩甲骨や胸骨のあたりと筋肉が固くて、体と一緒にバットが出てきてしまう。本来は捻られたり、遅れて出てくるんだけどね」と明かした。
正捕手の甲斐が課題に掲げるのはバッティング。昨季は打率.213に終わり、オフの契約更改時にも「打たないといけない」と決意を新たにしていた。指揮官も「何番を打つかは分からないけど、去年打っていた8番なら、そこが打てれば、得点能力は上がる。彼の打撃を良くしたい気持ちは分かるのでちょっとでも手伝えたら」と期待した。
指揮官が緩いボールとはいえ、打撃投手を務めるのは今キャンプで初めて。「ゆっくりであれば1時間くらいは投げられる。(打撃投手も)投げろと言われれば、いつでも投げますよ」と話し、今後の“登板”にも意欲を見せていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
記事提供: