今夜から、東京ドームで「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」が開幕する。稲葉監督にとっての初陣となる今大会。大事な初戦の相手は韓国代表だ。先発マウンドに上がる薮田投手(広島)は、今季セ・リーグ最高勝率を獲得した。強肩が武器の甲斐選手(福岡ソフトバンク)とバッテリーを組み、侍ジャパンの開幕白星を目指す。
薮田投手は1回表、2回表といずれも先頭に四球を与え、得点圏に走者を背負うものの、決定機を凌いで韓国打線を無失点に抑える。
試合が動いたのは3回裏。2死から2番・源田選手(埼玉西武)が四球を選ぶと、3番・近藤健選手(北海道日本ハム)の打球が二塁手の前で高く弾む内野安打となる。1塁走者の源田選手は俊足を飛ばして3塁を狙ったが、相手の悪送球が絡んで一気に本塁へ生還。若い2人のバットと好走塁で日本代表が1点を先制した。
ところが4回表、薮田投手が同点弾を浴び、さらに犠飛で勝ち越しを許してしまう。ここで日本代表は2番手・近藤大投手(オリックス)をマウンドに送るが、韓国打線を止められず。4対1と、韓国代表がリードを広げた。
3点を追う6回裏、先頭の近藤健選手が安打で出塁すると、続く山川選手(埼玉西武)が、チームでも4番に座る和製大砲の意地を見せる。初球をすくい上げ、右中間席へ突き刺さる2ラン。これでスコアは3対4となり、試合中盤で日本代表が1点差に迫った。
8回表、無死1,2塁の場面で韓国打線は犠打を試みるが、一塁手・山川選手が素早い身のこなしで3塁へ送球して進塁を阻止。日本代表の主砲が守備でもチームを盛り立てる。ただ、日本打線は再三の好機をものにすることができず、あと1点が遠い展開が続く。
しかし9回裏、日本代表がさすがの粘りを見せた。1死から連続四球と9番・桑原選手(横浜DeNA)の安打で満塁となると、1番・京田選手(中日)が押し出し四球。ついに日本代表が4対4の同点に追い付き、試合は延長戦に突入する。
今大会はタイブレーク制が採用されているため、10回以降の攻撃は無死1,2塁から始まる。10回表、韓国代表が3得点。またもや引き離された日本代表だったが、その裏、1死1,2塁から5番・上林選手(福岡ソフトバンク)が起死回生の3ランを放つ。今季大ブレイクを果たした福岡の「モンスター」が、土壇場で試合を振り出しに戻し、その後の好機から田村選手(千葉ロッテ)が長い試合にピリオドを打つ決勝打。劣勢を跳ね返し、見事な逆転勝利を演じた。
アジアプロ野球チャンピオンシップ初戦は、延長戦の末に8対7で日本代表が勝利を手にした。白星発進と最高の形でスタートを切り、この勢いのまま18日にチャイニーズ・タイペイとの一戦を迎える。
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