雨が心配された2月8日の練習も晴天の下、フルメニューを消化した。2月1日から始まったキャンプで雨に見舞われたのは一度だけ。そのときも途中のメニューを室内に変更した程度で、シート打撃はメイン球場で行うことができた。
春季キャンプは、ここまで計画通りに順調に進んでいる。石垣島でキャンプを行って以来、ここまで天に恵まれたことはない。まさに吉兆。最高の滑り出しとなった。
「いい形で来ている。順調。ここまでは選手たちがどのような気持ち、目的でこのキャンプに臨んできたのかをジッと見てきた。会話をしてコミュニケーションをとるのは、これからいつでもできる。今はとにかく見守ろうと。そう思って練習を見てきた。無言のプレッシャーになったかな」
ここまでの練習において井口監督は腕を組み、無言で選手の動きを凝視する姿が目立った。会話の中から選手の想いを聞き出すのは簡単かもしれない。しかし指揮官はそうではなく、プレーから何かを感じたいと思っていた。
2019年という1年をどういう年にしたいのか。2年連続でBクラスに沈んだ昨年の悔しさをどう思っているのか。キャンプインした際の身体、グラウンドでの動き、声の出し方の中から選手たちの想いを、今年に賭ける意気込みを感じる作業を続けた。
9日からはLamigoモンキーズとの2連戦
キャンプイン初日には異例ともいえる紅白戦を組んだ。そして、先発に実績十分の涌井、石川の両投手を立てた。1イニングではあったが、その投球から今年への想いを感じることができた。うれしいことだった。
「涌井は背番号も変わって、今年に賭ける意気込みを感じた。あれだけの実績のある投手が2月1日に投げてくれたことで投手陣全体が引き締まった」
さすがの投球を披露したエースに指揮官は目を細める。そして若手は一軍定着を狙いアピールしている。昨年、レギュラーとして出場したメンバーは次のステップとして一軍定着を目指し、鍛錬を続けていた。
「ここまで、どういう思いでキャンプに来たのかを見定めた」。井口監督は内野後方から、時には外野から、そしてブルペンから。一度だけスタンドから。場所を移して選手たちの姿を見つめ、想いを巡らせた。それは実りある時間となった。
さあ、いよいよ9日からは台湾プロ野球Lamigoモンキーズとの2連戦。実戦が始まる。開幕に向けての鍛錬は次のステージに突入する。
「実戦の中ではサインを使い分けて、場面に応じて色々と出していきたい。今年は作戦面で色々とサインを出して動かす」
指揮官は、戦術を重視した野球を交流試合から展開することを練習後の記者会見で宣言した。戦いが始まる。実戦の中で剣と己の感覚を磨いていく。2年目を迎える井口マリーンズの、戦い方と戦う姿を見せる。
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