【注目選手】甲子園春夏連覇・大学安打記録を塗り替えた輝かしい経歴。オリックス・大城選手は3年目の飛躍を遂げるか

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2017.11.11(土) 00:00

オリックスの大城選手が、今季内野の様々なポジションを務めながらスタメン出場の機会を大幅に増やした。1年目の春季キャンプでプロの厳しさを知った若武者が、地道な努力を実らせてレギュラーの座をつかみ取ろうとしている。

興南高校時代、遊撃のレギュラーとして甲子園の春夏連覇に貢献した大城選手は、立教大学でも主力として活躍し、東京六大学史上31人目の通算100安打、同校史上最多となる112安打を記録。2015年のドラフト3位でオリックスに入団すると、「走・攻・守」揃った遊撃手と評価され、将来のレギュラー候補の1人として大きな期待をかけられた。

しかし、入団1年目のキャンプで行われた一軍の練習試合に、遊撃手としてスタメン出場した大城選手は、4回までに守備で4つのミスを犯してしまう。安達選手が離脱している中で首脳陣の期待に応えることができず、そのまま開幕一軍入りも逃してしまった。

いきなりプロの厳しさを味わうこととなった大城選手だが、ファームで鍛錬を積みながら首脳陣にアピールを続けていく。その姿勢が実って同年4月に一軍昇格を果たすと、本職の遊撃手以外に三塁手や左翼手、中堅手でスタメン出場するなど、チーム事情に合わせて様々なポジションを経験しながら64試合に出場。打率.224と打撃面では課題を残すも、1年目から確かに一軍の戦力となった。

そして迎えた2017年、大城選手は前年に逃した開幕一軍の座を見事に勝ち取る。開幕当初は前年同様に内外野をこなせるスーパーサブという立ち位置だったが、二遊間を争うライバルの不振もあって徐々に出場機会も増えていく。複数のポジションを務めながら活躍の場を広げ、7月17日には千葉ロッテの守護神・内投手からプロ初本塁打も記録した。

最終的に122試合に出場。規定打席には惜しくも届かなかったものの、前年の倍以上の400打席を経験。8月中旬からは2番にほぼ定着し、リーグ2位の35犠打を記録する。打線のつなぎ役としての役割をしっかりと果たし、攻守に堅実なプレーを見せて確かな成長の跡を示した。

プロ2年目にして一軍のレギュラーがすぐそこに見える位置までたどり着いた大城選手。複数ポジションを軽快にこなせる守備力に加え、チーム盗塁数がリーグ最下位に終わったオリックスにあって、チーム2位となる7盗塁を記録した脚力も魅力だ。高校時代に2つの栄冠を味わった大城選手が主力に定着し、3年連続のBクラスに沈んだチームを生まれ変わらせる存在の1人となれるか。多くの伸びしろを持った24歳の俊英が見せるであろう来季の勇躍に期待したい。

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