沢村賞右腕、東大卒投手、台湾の至宝……北海道日本ハムのキャンプが海の向こうでも熱い

パ・リーグ インサイト

2019.1.29(火) 11:00

北海道日本ハムファイターズ・王柏融選手(C)PLM
北海道日本ハムファイターズ・王柏融選手(C)PLM

 2月の訪れとともに、プロ野球の春季キャンプが一斉に開始する。今回は、2016年以来となる日本一に向けて、強い意気込みをうかがわせる北海道日本ハムキャンプの見どころを紹介していきたい。

 今季の一軍キャンプは2月1日から12日にかけてアメリカ・アリゾナ州で、15日から25日にかけて沖縄県・名護市で行われる予定。日本とはひと味違った光景を楽しむのも、ファイターズのキャンプを視聴するうえでの醍醐味のひとつだ。

一軍メンバーには新顔が多数 復活を期すあの右腕も

 大型補強を敢行したチームにあって、金子弌大投手の加入は目玉のひとつと形容できるだろう。多彩な変化球を操る2014年の沢村賞投手は、若手の多い投手陣にとっては生きた手本となるはず。実績十分のベテランがチームにもたらす好影響は、今回のキャンプの時点で早くも見て取ることができるかもしれない。

 移籍組では、東京ヤクルトでクローザーを務め、2017年の第4回WBCにも出場した秋吉亮投手にも注目が集まりそう。サイドスローから速球やキレのあるスライダーを投げ込んでいくスタイルは、本格派の右投手がほとんどを占めるブルペンには貴重な存在。5年間で283試合に登板してきた経験豊富な右腕は、初めて新天地で迎えるキャンプでどんなボールを投げ込むだろうか。

 久々に表舞台へと帰ってくる中村勝投手のことも忘れてはならない。2017年にトミー・ジョン手術を受けた影響で昨季一軍登板はなかったが、今回のキャンプで一軍スタートを勝ち取った。チームには浦野博司投手や杉浦稔大投手など、深刻な故障や度重なる怪我から復帰した頼もしい先例がいる。彼らとともに投げる一軍キャンプで復活への第一歩を踏み出せるだろうか。

 ドラフト1位の吉田輝星投手や、同3位の生田目翼投手、同5位の柿木蓮投手といった期待のルーキーはいずれも二軍スタート。一方で、史上6人目の東京大学出身のプロ選手として話題となった宮台康平投手は、一軍メンバー入りを果たしている。

最後のキャンプとなるベテラン、そして未来を担う日台の至宝

 今シーズン限りでの現役引退を表明している田中賢介選手は、今年が最後のキャンプとなる。東京を本拠地としていた時代のチームを知る数少ない存在で、現役最後のシーズンに向けた調整を続けていく功労者の姿は、今まで以上に注目を集めそうだ。

 そして、今回のキャンプでは台湾の「大王」こと王柏融選手が、初めて日本のファンの前でそのプレーを見せることになる。母国で数々の金字塔を打ち立ててきた台湾球界の至宝の実力を見極めるためにも、このキャンプはまさに絶好の機会となりそうだ。

 怪物・清宮幸太郎選手は2年連続となる一軍メンバー入りを果たしており、すべてが初体験だった昨年より一回り大きくなった姿を見せてくれるかもしれない。レアード選手の退団で、昨季に比べて長打力が不足することが懸念されるチーム。和製大砲の期待たっぷりの大器がこのキャンプで見せるパフォーマンスは、本人とチームの双方にとって重要なものとなってきそうだ。

 ストーブリーグで久々に大きな動きを見せたこともあって、今季の北海道日本ハムには例年以上に大きな期待が寄せられている。シーズン全体を占ううえで重要な要素が数多く詰まっている今回のキャンプを、注視してほしい。

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