連投を視野に入れての連日のブルペン入り「『修正能力』を身に付けたい」
18日、千葉ロッテ浦和球場で行われている新人合同自主トレでドラフト2位・東妻勇輔が連日のブルペン入り。視察に訪れた井口資仁監督の前で、捕手を立たせて41球。ストレートのほか、スライダー、シュート、フォークなど変化球も投げ込んだ。
井口監督のブルペン視察に「ちょっと力んじゃいました」という東妻。指揮官の熱視線に応えるかのように、声をあげながら気持ちのこもった投球を見せていた。
もちろん監督へのアピールもあるが「自分の役割は中継ぎになると思っているので」と、連投を視野に入れての連日のブルペン入り。その上で「これだけトレーニングをやって、走って、で体はバテていると思う。その状態でどれだけいつも通りの形に持っていけるか。疲労によって足が上がらなかったり、肘がいつもより下がったりすることで、通常時の投球パフォーマンスが発揮できない状態の時に、すぐに気づいて直せる『修正能力』を身に付けたい」と、疲労を抱えた状態でベストピッチをするための方法をキャンプイン前から模索している。
視察した井口監督も「かなり仕上がりが早い。球に切れもありましたし『やるぞ!』という姿勢は見えた」と好印象。「初日に頑張りすぎても困るので、無理はさせない」とあくまで慎重な姿勢を示しながらも、2月1日の紅白戦での登板に「可能性は当然ある」と期待を寄せている。
東妻本人も2月1日の紅白戦での登板は十分意識しているが、途中から「投球のバランスが悪い」と、ワインドアップからクイックではないセットポジションに変更。「(投球の)確認という意味で大きく体を使って投げました。まだ出来上がっていない状態なので、ケガしても嫌だったので」と、あくまで自分のペースで冷静に調整を続けている。
この日は、ドラフト5位左腕・中村稔弥投手もブルペン入り。同じ年の2人が並んで投げる形となったが「同年齢に限らず、同じピッチャーというポジション全員に負けたくない」と勝気な一面を見せた東妻。同じ日体大からドラフト1位指名で埼玉西武に入団した松本航投手はA班(1軍)スタートが濃厚だが、「僕の中では驚くことではなくて、そうなるだろうと予想していました。そこに(負けないように)食らいついていこうとかではなく、自分が1軍に上がれば、どの選手とも対等に勝負できる世界に上がれると思うので、自分が1軍に早く上がれる努力をすることが最優先」と、あくまで自分との戦いに強いこだわりを持つ。
投球時に雄叫びをあげ、「打者に向かっていく姿勢が持ち味」と自他共に認める熱いハートを持ちながらも、自分の状態を冷静に把握し、マイペースで調整を進める。2つの顔を持つドラ2右腕は自らに課したハードルをクリアし、2月1日のマウンドで「対等に勝負できる世界」への第一歩を踏み出せるか。これからの調整過程に注目したい。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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