プロ野球史上初となるeスポーツリーグ「パワプロ・プロリーグ」の日本一を決める「SMBC e日本シリーズ2018-19」が1月12日、東京ビッグサイトTFTホールにて行われる。13勝2敗と圧倒的な成績でパ・リーグのペナントレースを制した埼玉西武と、12球団唯一のチーム防御率2点台を誇る横浜DeNAが、初代王者の称号を懸けて激突する。
埼玉西武は、12球団ダントツのシーズン打率.415、OPS1.444を叩き出した“なたでここ選手”の打撃が印象的だ。36人の選手が出場した「パワプロ・プロリーグ」で、シーズン打率3割以上を記録したのは6選手のみだが、“なたでここ選手”は強振打率.473と抜群の数字を記録している。埼玉西武の使用選手の能力が高めに設定されていることも理由のひとつだが、“なたでここ選手”のエイム力(※1)・ミート力の高さに起因するものであろう。
※1 照準を合わして狙うこと。主にFPSなどのゲームで使われる言葉。
高いエイム力・ミート力を発揮するためには、さまざまな能力を必要とする。相手の投球がどこに来たかを瞬時に判断する動体視力、その球をヒットにするためミートカーソルのどこで打つかを決める判断能力、そして配球を読む能力などである。
“なたでここ選手”は、あえてミートカーソルの真ん中で打たずに、端のほうで打って詰まらせることでヒットコースに飛ばす、先に強振状態で照準を合わせ、打つ瞬間にミート打ちに変えることで外野と内野の間に飛ばすなど、特に判断能力の部分に長けている。その能力と繊細な技術で、今シリーズでも圧倒的な打棒を見せてくれることだろう。
横浜DeNAには、防御率0.90という圧巻の数字を残して最優秀防御率に輝き、同時に打撃でも最多打点のタイトルを獲得した“AO選手”がいる。特徴は、巧みな配球で相手に狙いを絞らせないピッチングだ。バックドア・フロントドアをはじめとする投球術はもちろん、ボールの出し入れをうまく使い、打ち取る投球が目立った。また打撃では、自身の配球術を生かして相手の投球を読んでいるかのごとく、四球を選ぶ場面が多々見られた。打率.320に対し、出塁率はセ・リーグトップの.402だ。
今回の対決は、3人一組で編成されている両チームが操作するプレイヤーを3イニングごとに変更していく形で行われる。その結果、7回~9回という試合を左右する最終盤で、先述の“なたでここ選手”と“AO選手”が激突することが決まった。
この2選手はいずれもシーズンを無敗で終えているだけに、最後の3イニングはまさに雌雄を決する戦いといえるかもしれない。実力者同士が大舞台で直接火花を散らす、初代王者を決めるための運命の一戦に要注目だ。
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