【試合戦評】ウィーラー選手、枡田選手が会心の追撃弾。楽天がクライマックスシリーズファーストステージ突破

パ・リーグ インサイト

2017.10.16(月) 00:00

初戦は埼玉西武・菊池投手、第2戦は楽天・岸投手の好投で両チームがともに1勝を挙げ、最終戦までもつれ込んだ「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ。負ければ敗退が決まる緊迫した一戦のマウンドを、埼玉西武は野上投手に託す。今季自身4年ぶりの2桁勝利を挙げた右腕は、チームを勝利に導くことができるか。

対する楽天の先発は美馬投手だ。今季は先発3本柱の一角を担い、自己最多の11勝を挙げた。2013年の日本シリーズではMVPに選出されたが、ここでもその勝負強さを発揮することができるか。大事な一戦を任された両右腕の投球に、注目が集まる。

試合は初回から動く。野上投手は制球が定まらず、3つの四球で2死満塁のピンチを招くと、ここで6番・ウィーラー選手が適時内野安打。楽天が貴重な先制点を奪う。その裏、初回からリードを貰った美馬投手は、1番・秋山選手に三塁打を打たれ無死3塁のピンチを招くものの、後続を抑え無失点で終えた。

リードを広げたい楽天は4回表、先頭のウィーラー選手が中安打で出塁し、続く岡島選手が犠打を決めて1死2塁の好機を作ると、8番・枡田選手の打席で野上投手が痛恨の暴投。その間に2塁走者のウィーラー選手が生還し、楽天が2点目をもぎ取った。

ここまで美馬投手を捉えることができていない埼玉西武は、5回裏、6番・栗山選手と7番・中村選手の連打、続く外崎選手の犠打で1死2,3塁の好機を作り、9番・炭谷選手が犠飛。1点を返して、なおも2死3塁の好機を迎える。しかし楽天はここで高梨投手にスイッチし、続く秋山選手から三振を奪う。チームのピンチを幾度となく救ってきた新人左腕が最少失点で切り抜け、1点リードを守った。

その後は両救援陣の快投で、1点差のまま緊迫した展開が続いたが、8回表、楽天が再び試合を動かす。2死から6番・ウィーラー選手が埼玉西武の5番手・シュリッター投手を捉えた。豪快なスイングで、左翼席上段に叩き込む追撃の1号ソロ。さらに、続く岡島選手が四球を選ぶと、8番・枡田選手がダメ押しの1号2ラン。この回2本のアーチを描いた楽天がスコアを5対1とし、終盤で試合を決定付けた。

9回裏、満を持して守護神・松井裕投手がマウンドに上がる。先頭の浅村選手に反撃の2号ソロを打たれ1点を失うが、後続を完璧に抑えて、試合は5対2で楽天が勝利。

救援陣の素晴らしい働きで楽天が総力戦を制し、クライマックスシリーズファイナルステージ進出を決めた。18日からヤフオクドームで始まるファイナルステージで、リーグ王者・福岡ソフトバンクに対しどのような戦いを挑むのか楽しみだ。

僅差で敗れた埼玉西武は、初戦では2桁得点を奪った強力打線が、第2戦、最終戦と楽天投手陣に抑え込まれ、投手陣を援護することができなかった。

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