10月14日(土)に「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」が開幕。2年ぶりの覇権奪還を果たした福岡ソフトバンクへの挑戦権をかけ、メットライフドームにて2位・埼玉西武と3位・楽天による雌雄を決する戦いが繰り広げられる。
ファーストステージは2戦先勝、最大3戦で行われるため、たった1球、たった一つのプレーが勝敗を分ける“超短期決戦”。相手より先に流れを手繰り寄せ、ミスすることなくリードを死守する力が何よりも求められる。勝利の女神はどちらに微笑むか。おさえておくべきポイントを一つずつ、おさらいしていこう。
■両チームの相性は?
今季の対戦成績は埼玉西武が16勝、楽天が8勝(1分)というダブルスコアの結果であった。これをメットライフドームでの対戦成績だけに絞ると、埼玉西武が9勝3敗と本拠地ではさらに楽天を圧倒している。
【過去5年間の公式戦対戦成績】
2013年 埼玉西武:13勝 楽天:9勝 2分
2014年 埼玉西武:13勝 楽天:11勝
2015年 埼玉西武:18勝 楽天:7勝
2016年 埼玉西武:11勝 楽天:13勝 1分
2017年 埼玉西武:16勝 楽天:8勝 1分
過去5年間の対戦成績を見ても、楽天が勝ち越したのは2016年のみ。日本一に輝いた2013年もパ・リーグ5球団のうち、埼玉西武だけに負け越していた。直接対決での相性という面では埼玉西武が圧倒的に有利と言えるだろう。
■両チームの投手の相性は?
登板が予想される両チームの先発投手として、年間勝利数上位の4人をそれぞれ比較。対戦成績の詳細は以下の通り。
【埼玉西武投手陣 楽天戦の成績】
・菊池雄星投手 8試合8勝0敗 66回、9失点(自責点6) 防御率0.82
・十亀剣投手 5試合3勝1敗 30回1/3、8失点(自責点6) 防御率1.78
・野上亮磨投手 1試合0勝1敗 3回、5失点(自責点5) 防御率15.00
・ウルフ投手 3試合0勝1敗 16回、13失点(自責点11) 防御率6.19
菊池投手と十亀投手が楽天を得意としているのに対し、野上投手とウルフ投手はやや苦戦気味。相性通りに菊池投手と十亀投手をマウンドに送り込んで2戦目までを戦い、仮にどちらかを落としてしまった場合、楽天につけ入る隙を与えることになる。
【楽天投手陣 埼玉西武戦の成績】
・則本昂大投手 4試合1勝2敗 25回、17失点(自責点16) 防御率5.76
・岸孝之投手 3試合2勝1敗 22回、6失点(自責点6) 防御率2.45
・美馬学投手 6試合2勝2敗 39回、18失点(自責点17) 防御率3.92
・辛島航投手 3試合1勝2敗 16回1/3、11失点(自責点9) 防御率4.96
楽天はエース・則本投手が埼玉西武戦で本来の力を発揮できず。今季11勝の美馬投手、同8勝の辛島投手も打ち込まれるシーンが目立った。一方で、岸投手が3試合に登板し防御率2.45と安定。昨季まで在籍していた古巣の強力打線を相手に孤軍奮闘した。
■両チームの野手の相性は?
リーグ1位の得点力とチーム打率を誇る埼玉西武。スタメンにペゲーロ選手、ウィーラー選手、アマダー選手と3人の外国人選手が名を連ねる破壊力抜群の楽天。ともに、一度ハマれば手が付けられない打線の対戦成績の詳細は以下の通り。
【埼玉西武野手陣 楽天戦の成績】
・森友哉選手:35打数18安打1本塁打9打点 打率.514
・秋山翔吾選手:98打数38安打3本塁打12打点 打率.388
・山川穂高選手:49打数17安打7本塁打17打点 打率.347
・中村剛也選手:68打数16安打7本塁打14打点 打率.235
7月からスタメンに定着した山川選手、終盤に怪我から復帰し“打”で圧倒的な存在感を発揮した森選手など、楽天戦で好成績を残した野手が揃う。秋山選手が出塁すれば、森選手や山川選手、中村選手が強打で走者をかえすというパターンが目に浮かぶ。容易ではないだろうが、楽天投手陣からすれば、これらのキーマンを抑えておけば好勝負に持ち込めるといったところか。
【楽天野手陣 埼玉西武戦の成績】
・ペゲーロ選手:84打数27安打6本塁打15打点 打率.321
・岡島豪郎選手:53打数17安打0本塁打10打点 打率.321
楽天野手陣で3割を超えるアベレージを残しているのは上記の2選手。ペゲーロ選手は5月27日の埼玉西武戦で推定飛距離153.1メートル、打球速度189.5キロの驚愕満塁弾を放つなど、6本塁打と大活躍。一方の岡島選手はコツコツと安打を放ち、幾度となく好機を演出する活躍を見せた。直接対決における火力では劣るだけに、両選手のバットで着実に得点を積み重ねたい。
埼玉西武は「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」でも“炎獅子ユニホーム”を再着用することを発表した。レギュラーシーズンで見せた24勝8敗、勝率7割5分という圧倒的な強さ、そして着用時の楽天戦は8戦全勝、福岡ソフトバンク戦においても6戦4勝という縁起のいい勝負服で頂点まで駆け上がれるか。
一方の楽天は、今季ヤフオクドームで行われた福岡ソフトバンク戦で7勝5敗と勝ち越している。苦手としている埼玉西武を下し、ファーストステージを突破できれば一気の日本シリーズ進出が見えてくる。則本投手、岸投手の二枚看板で強力・埼玉西武打線を抑え込みたい。
過去のパ・リーグのクライマックスシリーズでは、初戦を制したチームが100%の確率でさらに上のステージへと勝ち進んでいる。果たしてどちらに軍配が上がるのか。注目の初戦は明日、14日(土)の13時に戦いの火ぶたが切られる。
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