侍ジャパン・若月健矢「自己犠牲」の裏に山本由伸への感謝 オリックス時代にバッテリー

スポーツ報知

ブルペンで準備をする若月健矢(カメラ・岩田 大補)

 オリックス・若月健矢捕手(30)は捕手らしく「自己犠牲」を最優先としている。有形無形の貢献を約束できるのは、オリックス時代にバッテリーを組み、WBCで再会するドジャース・山本由伸投手(27)の存在があったからだ。「WBC連覇へ 侍語る」の第7回。栄華を極めた相棒や恩師へ感謝を添え、挑戦者の気持ちで初の大舞台を戦うことを誓った。(取材・構成 長田 亨)

 若月の考えはシンプルだった。

 「オリックスにいれば『試合に出たい』という気持ちですけど、WBCは違う。本当に、勝てばいいので。何とか勝てる方法を、僕ができることを。試合に出ていても出ていなくても、そういうものを見つけていきたいと思います」。

 30歳でWBC初出場。かつての相棒と再会する。

 「(山本)由伸には感謝の方が大きいですね。そこに満足しているわけではないですけど、由伸という存在があって、いろんな賞もいただくことができた。振る舞いや言葉遣い、エースとしての姿。完璧すぎて『猫かぶってるんじゃない?』って思うぐらいです(笑)」

 オリックス時代に山本由伸とコンビを組み、21年から3年連続で最優秀バッテリーを受賞。19年の最優秀防御率が、2人にとっての「初タイトル」だった。

 「由伸が先発した全試合で、マスクをかぶらせていただきました。防御率のタイトルが近づく過程で、周りから『エラーで失点するのもアリなんじゃない?』って言われることもありました。由伸のタイトルが絡むとなれば、それぐらいする気持ちではいました。もちろん、思っていてもできないですけどね…」

 22、23年の2度のノーヒットノーランも印象に残る出来事だ。

 「最初のノーヒットノーランがベルーナドーム。試合後、由伸がシュークリームを買ってきてくれました。あいつは食べてたかな?(笑) 部屋で試合を振り返ったのも、いい思い出です。感情を乱すところなんて見たことがないし、本当に尊敬できる後輩です」

 米国でさらにスケールアップした後輩も共闘を待ちわびている。。

 「楽しみですね。間違いなく進化しているでしょうから。日本での残像を残しながら、新しい投手の球を受ける。半々のイメージでいきたいですね。菊池雄星さんも日本にいる時より球が速くなっているし、落ち球の割合も増えました。できるだけ投手の映像を見て、準備していきます」

 武器は安定した守備力だけではない。体の強さだ。

 「監督をされていた時の福良(淳一)GMに言われたんです。『けがは痛い、痛くない、じゃない。できるか、できないか、だぞ』って。けがに対する考え方を変えてくれました」

 高卒でプロ入り13年目。中嶋聡前監督の存在も成長には欠かせなかった。

 「固定概念をなくすこと。いろんな抑え方があるということ。小さい変化に頼りすぎるなということ。高めを使えということ。いろんなことを教わり、心の中にとどめています」

 チームの目標である連続世界一も、若月にとっては別物だ。

 「僕は初めてのWBCなので、完全に挑戦者。過去の映像もあまり見ないようにしています。試合に出ていなくても、声であったり、先発の捕手が求めていることに応えたい。中村さん、坂本さんと力を合わせて、優勝したいですね」

 ◆若月 健矢(わかつき・けんや)1995年10月4日、埼玉・加須(かぞ)市生まれ。30歳。花咲徳栄では3年春の甲子園で初戦敗退。U18日本代表。13年のドラフト3位でオリックス入団。21年から3年連続で山本由伸(現ドジャース)と最優秀バッテリー賞を獲得。23年にゴールデン・グラブ賞を初受賞し、25年はベストナインとダブル受賞。180センチ、88キロ。右投右打。年俸1億8000万円。既婚。

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