
ソフトバンクからドラフト3位指名を受けた大商大の鈴木豪太投手(4年)がこのほど、しずおか報知のインタビューに応じた。東海大静岡翔洋高で研鑽(けんさん)を積んだ最速147㌔サイド右腕は、プロの道を切り開いた母校に感謝し、今後の意気込みなどを語った。(取材・構成=伊藤 明日香)
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プロ入りを目前に控え、胸に抱く思いは一つだ。
「僕が出てきたら、チームやファンの方が安心できる、そんな投手になりたいです」
理想像として挙げたのは巨人の大勢。
「球質もすごいですし、テレビで見ていても、大勢さんが出てきたら、もう点は取れないと思わせる存在」
滋賀出身の鈴木が翔洋に進んだ理由は、中学時の練習試合で付属中の強さに衝撃を受けたことにあった。高校では、巨人で捕手として活躍した原俊介氏(現東海大相模監督)が指揮官を務めていた。捕手として入部した鈴木に投手転向を勧めたのも原氏だった。
「先生が道を切り開いてくれました。打者心理などプロならではの視点も教えてもらいました。翔洋に来なければ、野球で大学に進むことも、プロになることもなかったと思います」
高2の冬の進路相談では、鈴木は指揮官に大学では野球を続けない意向を伝えた。球速が140キロを超えず、伸び悩み、限界を感じての決断だった。
「その時に『お前が野球をやらなきゃどうするんだ』と言われました。あの言葉で、中途半端なこと言ってたらダメだなって思い、もう一回火がつきました」
迎えた3年春、140キロの壁を突破。最後の夏には、エースとして1回戦から決勝まで全7試合52回1/3を投げ、わずか6失点。チームを準優勝に導いた。大学では出場機会を求めて横手投げに転向し、プロ入りの夢をつかんだ。ソフトバンクへの入団が決まった後、原監督と対面。
「『プロというのはスタートが大事』と言ってもらいました。僕は大卒なので、スタートダッシュが僕の野球人生において最も大事になってくると思います」
最後に、夢を追う球児たちに向けて、メッセージを送ってくれた。
「高校時代の僕は、プロになれる選手ではなかったと思います。ただ、野球は何か一つで良くも悪くも大きく変わる競技です。だからこそ、準備や熱意をしっかり持って取り組めば、夢はかなうと思います」
◆鈴木 豪太(すずき・ごうた)2003年8月31日、滋賀・長浜市生まれ。22歳。湯田小2年から浅井西スポーツ少年団で軟式野球を始め、浅井中では滋賀ユナイテッドJBoy’sに所属。東海大静岡翔洋では1年夏からベンチ入り。甲子園出場はなし。大商大では1年の全日本大学選手権で公式戦初登板。175センチ、84キロ。右投右打。
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