
オリックス・吉田輝星投手(24)が、来季の開幕1軍を誓った。開幕前の3月7日に右肘内側側副じん帯再建術を受け、1軍未登板。同様の手術を受けた宇田川、小木田らが育成再契約となる見込みのなか、「僕だけ育成にならなかったということは、マモさん(岸田監督)の中で計算があるのかも。支配下で残った以上は開幕から行く責任がある」と断言した。
術後7か月が過ぎた現在は90メートルほどの距離で遠投し、捕手を座らせての投球練習では球速140キロ前後を計測。「(春季)キャンプ中の実戦復帰は見えてきた」と、順調な回復を実感する。リハビリ中は日本ハム・伊藤に投球動作について質問。「左足のブロッキング(踏ん張り)が強くなってきたので、うまくいっている」と元同僚の助言も参考に、一歩ずつ前進する日々だ。
先月31日は大阪・舞洲で、全体練習終了後も居残りで調整。「皆さんはオフシーズンでも、こっちは逆にシーズンインくらいの張り詰めた感じ。支配下で残っているので、そういう姿勢から変えていかないと」。来季の目標は「京セラDで150キロ連発」。糸を引くような直球で、本拠地を沸かせる日は近い。(南部 俊太)
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◆輝星に聞く
―術後7か月が経過。現在のリハビリ状況は。
「9月はほぼ投げられなくて…。いろいろ注射とか打ちながら、胸回りの可動域とかも改善していったら、10月は安定してキャッチボールができるようになった。あれくらい(50メートルほどの距離)だったら毎日できるかなって感じで、一段上がった。今は140キロくらいの球を投げたら次の日に筋肉痛が来るので、次はそれが毎日できるくらいになればやっと実戦が見えてくるかな。(乗り越える)山は大きくなってきて、長くなってきたかなって感じです」
―具体的な投球練習の進ちょく状況は。
「遠投は山なりであれば90メートルくらいまで行っていて、あとは70、50、30メートルとかでライナー性の遠投をやっている。低くステップしてという感じで。(捕手を座らせての投球練習は)最近は2クールに1回くらい。(球速は)140キロ前後で止めている。それを計画的にできるのは(1月の)自主トレに行ってからとかだと思うので、それまでにもう少し体やフォームを(右肘に)負担がかからないようにできればいいかな、と思います」
―ブルペンの傾斜で投げることで、体への反応は。
「最初に投げた時はタイミングが合わなかったりとか、胸の可動域も狭いと感じた。(それまでは)肘を守るために、腕とかのトレーニングをしていた。そこの柔軟性を急ピッチで戻して、そこから肘の症状も和らいできた感じだったので、いい気づきができた。リハビリでは1、2か月先の出力を出せるくらいの筋量、柔軟性を2か月前に用意しておくみたいなトレーニングプランを組んでいたのが、うまくいっている感じがします」
―日本ハム時代の先輩・伊藤大海投手とは、定期的に連絡を。
「ちょくちょく連絡して、(話を)聞かせてもらっています。シーズン中は『本当に迷惑だろうな…』と思いながらも、投げる時の感覚が今までと違った時があったので、そういう時に質問させてもらって。大海さんとか、北山さんや有原さん、上沢さん。よくしてもらっていた右投手の人は参考になるので(登板を)見ていた。大海さんの投球フォームは、僕から見たら『これがほしいな』という動きがあって、『その動き、どうすればいいですかね?』っていう話をよくさせてもらっていました」
―伊藤から一番、学べることは。
「左足(の使い方)ですかね。ブロッキング(踏ん張り)がちょっと、イメージが湧かなくて。投げる時は自分の投げたいように投げて、その動き(伊藤からの助言)をトレーニングやドリルで体に染み込ませて、体が勝手にそう動くようにするっていう方針に変えてから、だんだんと左足のブロッキングが強くなってきている。今のところ、そこはうまくいっているかなって感じですね」
―来年の開幕から「京セラDで150キロを投げる」という目標は、より鮮明に見えつつある。
「そうですね。トレーナーの人としゃべっていて、キャンプ中の実戦復帰は見えてきたペースなので。あとは実戦で投げた時、それ(高パフォーマンス)を継続し、けがをしていない時みたいにできるかっていう細かい問題もある。そこまで、もうひと山くらい調子が悪い時期もあると思うので、そこを小さくしてすぐ復活するにはどうしたらいいかなって考えながらトレーニングをしています。今回のリハビリは12、1月が一番、出力を上げなきゃいけない時期。自分でいろいろ時間を使える時期なので、本当に大事というか、失敗できないリハビリだなって感じですね」
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