
◆パ・リーグ 日本ハム2―4楽天(22日・エスコンF)
「3番・一塁」でスタメン出場した楽天・浅村栄斗が、第4打席に杉浦から右翼席へ通算300号となる本塁打を放った。カウント1―2からの外角高め151キロの直球をたたき込んだ。
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浅村のリアクションに驚いた。19年シーズンの開幕直前。本拠地での練習を前に、同僚の則本に話しかけられた。「アサ(浅村)、平成生まれで一番ヒット打ってるらしいやん」。私が聞いた限りでは、答えは「へえ、そうなん」。自身の記録に、興味がないのだろうか。そんな印象を持ったことを今でも覚えている。
20年(32発)と23年(26発)に本塁打王を獲得。ただ私が楽天を担当していた19、20年に、個人タイトルへ執着するようなコメントは聞いた記憶がない。口癖のように語っていたのは「チームの勝利」だった。
チームへ好影響をもたらすことは容易に想像できた。18年オフ、西武からFAで加入。キャンプ中から、若手に助言を惜しまなかった。スイッチヒッターの田中和は浅村のアドバイスを受けながら、右打席だけ、ノーステップ打法をやめ左足を上げるように変更。「あんなにすごい選手と練習できて、参考にできる機会はそうそうない」と感謝の言葉を口にしていた。
歴代の監督も野球に対する姿勢を含めて評価していた。記録に興味がないわけではないだろうが、それよりも大事にするものがある。浅村はただチームを勝たせるために、バットを振る。(12、13、19、20年楽天担当・高橋 宏磁)
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