ロッテ、若き先発候補は今季ローテーション定着なるか?

ベースボールキング

  • ニュース

2025.1.4(土) 09:00

キャッチボールするロッテ・中森俊介[撮影=岩下雄太]※撮影日=2024年11月12日

 ロッテは、Vision2025のひとつに“新たな常勝軍団”を掲げている。若手野手の成長もそうだが、若手の先発も出てきてほしいところ。リリーフでは昨年11月に開催された『ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12』の日本代表に鈴木昭汰、横山陸人が選出され、今季大卒3年目を迎える菊地吏玖が昨季夏場以降に一軍に定着するなど、若手の台頭が必要だったリリーフ陣に新顔が出てきた。

 一方で、先発陣はというと小島和哉、種市篤暉が軸になっているが、彼らの下の世代で言うと、昨季までは佐々木朗希がいたが今オフにポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦。もちろん、西野勇士、唐川侑己、石川歩といったベテランに加え、FAで獲得した石川柊太も若手の壁として先発を引っ張って欲しいところだが、長い目を見れば、若い先発投手の台頭が待ち望まれる。

 今季先発ローテに入らなければいけないのは、高卒5年目の中森俊介だろう。昨季は先発ローテーション定着を期待されながら、5試合・24イニングを投げ、1勝1敗、防御率2.63だった。「全然全くチームに貢献できなかったですし、結果を残せなかったのは悔しいですけど、自分の実力がなかったことなので、しっかり課題と向き合っていきたい」と唇を噛んだ。

 「5年目になりますし、同級生の大卒の子も入ってくる。しっかり覚悟と責任を持ってシーズンに臨みたいと思っています」と危機感を示す。5年目の今季に向けて、「(24年は)規定投球回を目標にして24イニングしか一軍で投げられていない。そこの目標をまず1年越しですけど、達成できるように頑張りたい」と意気込む。

 もう1人は高卒3年目を迎える田中晴也。昨季は登板間隔を空けながら一、二軍で先発を経験し、一軍では4試合・20イニングを投げて、1勝1敗、防御率1.80。9月16日の西武戦では自己最速となる155キロを計測するなど、伸び盛りの右腕だ。

 「土台作りを早い時期から取り組めましたし、全体を振り返って4試合・20イニングを投げられたというところは、2年目にしてはいい経験もできましたし、満足とはいかなかったですけど、全体的に見ればうまくいった1年かなと思います」と昨季を振り返る。

 佐々木がメジャー挑戦することで、先発ローテーションの枠が必然的に1つ空くことになる。「1年間ずっと一軍にいないといけないと思います。そのためにとにかくアピールして、(佐々木)朗希さんの1枠を争うというよりは、とにかく先発ローテーションを勝ち取ることを目標にやっていきたい」と掲げた。

 今季すぐに先発ローテーション入りとはいかないまでも、高卒2年目の木村優人もファームで実戦を積み重ね、昨季の田中のように谷間で一軍先発の経験をしたいところ。現状では先発入りが期待される若手候補の名前がこの3人のみという状況で、高卒4年目までの支配下選手は田中晴、木村、早坂響、ルーキーの坂井遼の4人しかいない。田中楓基、永島田輝斗、秋山正雲、吉川悠斗、武内涼太、茨木佑太は育成選手だ。これまでの起用法を見ると、田中楓、永島田、秋山、吉川、武内、支配下の早坂もリリーフでの登板が多く、単純に先発候補が少ないのは気になるところ。

 “常勝軍団”を築くためにも若手の台頭・成長は必要不可欠。中森、田中晴は一軍の先発に定着し、その他の先発候補の若手選手たちもファームで経験を積んで、来季の今頃は一軍の先発枠に名前が挙がるような選手になっていたい。

取材・文=岩下雄太

記事提供:

ベースボールキング