「日本ハムの殿馬」大学までピアノ アクロバチック守備 ドラ5内野手、新人唯一のキャンプ1軍スタートも

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2024.12.9(月) 06:00

ウェルカムイベントで壇上に整列する日本ハムの新人選手たち(前列左からドラフト3位の浅利太門、1位の柴田獅子、2位の藤田琉生、4位の清水大暉。後列左から育成1位の川勝空人、5位の山県秀、6位の山城航太郎、育成2位の渋谷純希)(カメラ・堀内 啓太)

 日本ハムのドラフト5位・山県秀内野手(22)が8日、“北の殿馬”と化すことを誓った。人気野球漫画「ドカベン」の登場キャラ・殿馬一人ばりの堅守が売りの遊撃手。新入団イベントで大渕GM補佐兼スカウト部長から「殿馬がファイターズにやってきました」と紹介され「型にハマらない(印象)。そう言われてうれしい」と笑顔でアピールした。

 殿馬と言えば、奇想天外かつ体操選手のようなプレーが魅力。ピアノの腕前も超一流だ。山県も特技がピアノで、アクロバチックな守りでも栗山CBOを「ワクワクする守備」とうならせてきた。小2から始めたピアノは大学2年まで週1回教室に通った。殿馬がショパンの曲「別れ」を得意とすれば、自身もショパンの「幻想即興曲」がお気に入りだ。漫画は読んでいなかったが「周りから言われすぎて」と自然と存在を意識するようになった。

 8人中7人が投手指名の今年の「ディフェンスドラフト」。新庄監督は新人のキャンプ1軍スタートを「ない」と言った後「あ、内野手」と思い出したように山県の名を挙げた。早大OBの元阪神・鳥谷氏に憧れ「全試合出場、ゴールデン・グラブ賞を何回でも取りたい」と語る22歳。キャラの立った“リアル殿馬”が新庄ハムに加わった。(堀内 啓太)

 ◆殿馬一人とは 故・水島新司さん作の人気野球漫画「ドカベン」の登場キャラクター。ピアノの腕は超一流で、明訓高校では「2番・二塁」で活躍した。非力を補うために編み出した奇想天外な打法から放つ秘打が代名詞。バレリーナのように打席内で回転しながら打つ「白鳥の湖」や、ファウルライン上にピタリと打球を停止させる絶妙なバント「G線上のアリア」などがある。

 ◆山県 秀(やまがた・しゅう)2002年5月1日、東京都生まれ。22歳。国分寺リトル、稲城リトルシニアから早大学院を経て早大に進学。難関校の早大学院からは元中日・森徹以来66年ぶり2人目のプロ野球選手。早大では4年春にベストナイン、大学日本代表。176センチ、80キロ。右投右打。50メートル6秒1。

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