ロッテCS下克上突破王手 8回0封の朗希にサイ・ヤング賞左腕カイケル「ダルビッシュに近づいてきている」
スポーツ報知
- ニュース
2024.10.13(日) 05:30
◆2024 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファーストステージ 第1戦 日本ハム0―2ロッテ(12日・エスコンフィールド)
「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」の第1ステージ(S)が12日開幕し、ロッテ・佐々木朗希投手(22)が日本ハム打線を8回5安打無失点に抑える好投。過去、チームは先勝した7度全て最終Sに進出しており、突破率は100%。また、「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」も同時開幕。DeNAは先発の東が4回で左太もも違和感で緊急降板も、5人のリリーフ陣がリードを守った。セ・パともにレギュラーシーズン3位の球団が下克上進出へ王手をかけた。
クールな佐々木が直球でねじ伏せ、雄たけびを上げた。8回2死一塁。112球目。浅間を外角の157キロ直球で空振り三振に仕留め派手に喜んだ。最速159キロで8回5安打9奪三振で無失点だ。21、23年に続く3度目のCS開幕投手で初白星の右腕は「大胆に勝負ができ、あまり繊細にならずにいけたのがよかった」と手応え。第1Sで先勝した過去7回は全て最終Sに進出しているチームに価値ある1勝をもたらした。
日本ハム戦は今季5戦2敗で、球団別ワーストの防御率3・81と難敵だった。決戦前日、エスコンでの全体ミーティング。選手、首脳陣を前にして吉井監督に促された佐々木は「緊張していますけど、自分の力を出せるように」と、決意表明。堂々の投球を披露し、「いいイメージはなかったけど、いろいろ失敗してきて、それが今回いい形で生かせた」と、経験を糧にした。
CSでは、21年の初登板から計17イニングで自責0。オリックス時代の山本に並び最長をマークした。大谷、ダルビッシュら23年WBCで共闘した先輩たちが、メジャーではプレーオフで激闘を繰り広げており、「素晴らしいことだし、勉強になることが多い」と尊敬のまなざしだ。一方、朗希を視察に訪れたヤンキース、レイズなど10球団のメジャー関係者に好投を見せつけた。
かつて世界一に輝いたチームメートも若き怪物右腕に驚きを隠せない。15年サイ・ヤング賞左腕で7月末に加入したカイケルは、「22歳なのに才能豊か。若いのに全てが完璧に仕上がっている」と絶賛。アストロズ時代の17年にワールドシリーズを制覇した左腕は「160キロ超えの速球に、スプリットなど変化球もキレがある。ダルビッシュ投手に似ていて、近づいてきている感じ」と、日米通算203勝右腕に姿を重ねるほどだ。
CS初開催となったエスコンは完全アウェー。ヒーローインタビューで佐々木は熱烈なロッテファンに「もう少し声が出ると思いますけど、どうですか?」と笑顔であおった。一体感を高めたかったと明かし「少しでもみんなで一つになれたら。大事な試合が続くので、いい投球をしたい」。3位から下克上Vを果たした10年以来の日本S進出へ―。朗希が勢いをつけた。(竹内 夏紀)
◆朗希に聞く
―初戦を託されたが。
「初戦を任せてもらったので期待にこたえられるように投げました」
―短期決戦での違い。
「僕は感じないけど、他の選手を見てたりすると、雰囲気とか違うものはある」
―7回途中まで二塁を踏ませなかった。
「先制してもらって、その点を最後まで守ろうと、(佐藤)都志也さんのリード通りに投げて、いいピッチングができた」
―完封も目前だったが。
「僕は7回で代わると思ったんですけど、8回まで頑張りました」
―CS初開催となったエスコンでの試合。
「チームとしても個人としてもいいイメージがなかった球場。すごく大きかったですし、勝ててよかった」
◆記録メモ
▼…ロッテは3投手のリレーで完封勝ち。プレーオフ(PO)とCSでチームの完封勝利は、10年最終S〈6〉戦に成瀬善久が完投で記録して以来、14年ぶり5度目。第1Sの初戦では初めて。
▼…先発の佐々木は8回を無失点でCS初勝利を挙げた。通算では3試合で計17回を1失点。唯一の失点は自身の一塁悪送球による失策で自責点0を継続中だ。POとCSで初登板から17イニング連続の自責点0は、山本由伸(オ=21、22年ともに最終S〈1〉戦で9回、8回を無失点)の17回と並んで最長となった。
関連ニュース
・ドジャース編成トップ、佐々木朗希を現地視察「アメージング・スシ」「いい投球」
・【ロッテ】佐々木朗希が今季最終登板 ドジャースのフリードマン編成本部長が視察「アメリカに渡った投手の仲間に入れる」
・【複数写真】朗希らとの3ショ!リン・シャンら楽天モンキーズのチアが盛り上げた
・【写真】そっくり佐々木朗希の弟、兄よりも憧れるメジャーリーガーは?
・佐々木朗希の“移籍先”は決まり? 他球団お手上げと米記者報道