【オリックス】岸田護新監督が第一に掲げた意外な課題 生え抜き初の大役就任に「本当に恩のある球団」
スポーツ報知
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2024.10.12(土) 05:00
オリックスの岸田護新監督(43)が11日、大阪・舞洲の球団施設で就任会見を行った。05年に発足したオリックス・バファローズの生え抜きとして初、球団の投手出身では前身・阪急時代の梶本隆夫(1979~80年)以来の監督誕生。5位低迷の責任を取る形で辞任した中嶋聡前監督(55)からバトンを受け取り、まず自身の「人見知り」克服を課題に掲げた。
実直な岸田新監督らしい告白だ。「僕、人見知りなんで。なかなかコミュニケーションがうまくないんですけど、そういう話をしていかないといけない」。この日は新しいことを始め、挑戦するのにいい日とされる大安の天赦日。監督として必要な対話に目を向け、まず自身に宿題を課した。
現役で14年、コーチで5年。選手からは「マモさん」と慕われてきた。しかし同じ05年ドラフトで入団し、最も付き合いの長い平野佳は「案外、シャイ。特に若い子は、自分からどんどん行った方がいいと思います」という。立場的にも野手陣と絡むことは少なかったため、17日から始まる秋季練習では一人一人と言葉を交わしていくつもりだ。
中嶋前監督が辞意を固めたとされる9月下旬、球団から水面下で後任となる可能性を示唆された。「信じられなかったし、一気に緊張した」。迷いを消したのはオリックスへの愛着。「僕はオリックスしか知らないし、本当に恩のある球団だと思っているので」。生え抜き初の監督として「そこは目指していく」と、もちろんV奪回が目標だ。
昨年までのリーグ3連覇から5位に転落。責任を取る形でユニホームを脱いだ中嶋前監督は、チームに漂う「慣れ」を危惧していた。投手コーチとして今季は6月から1軍を担当した新指揮官も「選手に限らず、本当に『中嶋さんに任せておけば何とかなる』という空気はあったのかな…」と反省。「無理に厳しさだけを強調しても、薄っぺらいものになっていく。メリハリの利いた空気を全員でつくっていきたい」と訴えた。
19年の現役引退スピーチでは「これからのオリックスは強くなります」と予言し、実際に3連覇の形になった。「すでに強いチームだと思っている。期待しかない。期待できる選手ばかりだと、本当に思っています」。43歳で引き受けた大役。己を研さんし、常勝軍団形成へと歩み始める。(長田 亨)
◆岸田 護(きしだ・まもる)1981年5月10日、大阪・吹田市生まれ。43歳。履正社―東北福祉大―NTT西日本を経て、2005年大学生・社会人ドラフト3巡目でオリックス入団。09年に自己最多の10勝、11年に同33セーブを挙げるなど、通算433試合で44勝30敗63セーブ、63ホールド、防御率2・99。19年限りで引退し、20年から2軍投手コーチなどを務めた。現役時代は180センチ、80キロ。右投右打。
◇岸田新監督に聞く
―就任要請時に球団から言われたことは
「いいチームにしてほしい、と。僕もオリックスにそうなってほしいし、そこが一番。頑張ってみようかな、と思ったところ」
―中嶋前監督の野球を継承していく
「中嶋さんも『新しいことは、新しい人がやる方がいい』と言っていた。いろんなところを参考にしながら、思い切ってまた新しくできればと思っている」
―中嶋前監督は勝利と育成を両立してきた
「追い求めたいけど、まだまだ僕の力じゃ及ばない。スタッフみんなで、というところになる」
―選手と年齢も近い。どうカラーを出すか
「そういうところにはまだまだ至っていない。(色は)必死にやっていきながら出るところだと思う」
―目指す野球は
「前面に気持ちが出て、勝ちに向かって全員がモチベーション高くいけるというところを目指していく」
―新監督として求められることは
「みんなが思い切ってプレーして、失敗を恐れずにやっていける。はつらつとすがすがしくやっていくことが大事かなと思う」
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