◆パ・リーグ　西武８―０日本ハム（３０日・ベルーナドーム）

　節目の勝利がかかっていても表情は変わらない。西武のドラフト１位左腕・武内夏暉投手（２３）はスコアボードに淡々とゼロを連ねた。カーブ、ツーシームを低めに集め、緩急で日本ハムを翻弄（ほんろう）した。８回を３安打無失点でまとめてチーム一番乗りの１０勝目。球団の新人では２００７年の岸（現楽天）以来となる１７年ぶりの２ケタ勝利に「本当にうれしいです」と声を弾ませた。

　「無事これ名馬というけどけがもなく、内面的な強さもあった」と豊田１軍投手コーチがたたえたように故障もなく１年間、先発ローテーションを守った。トレーニングのメニューも考えながら消化。伊藤１軍Ｓ＆Ｃコーチは「新人は受け身になりがちですが、体のコンディショニングをしっかり把握して伝えてくれた。メニューを差し引きできたことが要因」とうなった。多くの試合でバッテリーを組んだ炭谷は「対応能力もすごいし、すぐ結果を出してくれる」と評した。

　規定投球回もクリアし、防御率はパ・リーグ２位の２・１７。今季を「１００点です」と締めて新人王へ大きく前進した。１１月のプレミア１２では侍ジャパン入りが有力視される。ポケットにはウィニングボールが。「家族に贈ります」とさわやかに笑って１年目のシーズンを終えた。（秋本　正己）

　◆記録メモ　新人の武内（西）が１０勝目。新人の２ケタ勝利は、２１年伊藤（日）、伊藤将（神）ともに１０勝以来、左腕では伊藤将以来、パでは０６年１２勝の八木智哉（日）以来だ。球団新人の１０勝以上は、０７年１１勝の岸孝之以来９人目。球団左腕初の２ケタ勝利だ。

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