◆パ・リーグ　日本ハム７ｘ―６ソフトバンク（２８日・エスコンフィールド北海道）

　ソフトバンクが逆転サヨナラで対日本ハム７連敗を喫した。これで今季の日本ハム戦は１試合を残して１１勝１２敗１分けとなり、２０１９年から５年続いていたカード勝ち越しが消滅。他のパ４球団には勝ち越しを決めているものの、２０１７年以来７年ぶりのリーグ戦“完全優勝”がなくなった。

　それでも小久保監督は泰然。「まあ、連敗が続いたら次勝つでしょう。（ＣＳ最終Ｓに）ハムが来るかどうか分からんやないですか。みんなハムが来る想定やけど。別にそれはそれ。全く別物なので」とノーダメージを強調した。

　これでソフトバンクは今季２２度目の逆転負け。うち日本ハムには７度の逆転負けを喫しており、粘りが身上の新庄ハムに屈する試合展開が目立っている。ちなみに対日本ハムは逆転勝ちも７度で、シーソーゲームが多いカードとなっている。

　またソフトバンクは、交流戦では阪神、ＤｅＮＡ、広島、中日、ヤクルトには勝ち越したが、巨人にだけ負け越し。今後、ポストシーズンで対戦する可能性の高い対日本ハム、対巨人で不安を残す結果となっている。

　試合は１点リードの９回に暗転した。マウンドにはドラフト２位右腕・岩井。しかし１死から水野に同点ソロを浴びると、なおも１死満塁で代打・マルティネスにサヨナラの右前打を献上した。

　先取点はソフトバンクが２回に挙げた。１死一塁から今季初スタメンの谷川原が中堅フェンス直的の適時二塁打を放ち、なおも１死満塁で周東の二ゴロの間に加点した。

　しかしその裏、あっさり同点に追いつかれた。７月１０日のオリックス戦（京セラＤ）以来の１軍マウンドとなった先発・東浜が、四球と２安打で無死満塁のピンチを招くと、古川は空振り三振に仕留めたが、水野に中前適時打、細川にも中犠飛を献上した。直後の３回には２死からレイエスに決勝の左越え２５号ソロを浴びた。

　東浜はポストシーズンでの先発４、５番手の座をかけての登板だったが、４回３失点で降板した。小久保監督は「内容としては競争の最中」。倉野投手コーチも、フェニックスリーグで追試となるのかと問われ「そうなると思います」と、やはり合格点とはいかなかったようだ。

　５回には２番手の木村光が２死三塁から清宮に右前適時打を浴びた。７回にも長谷川が、水谷にプロ初被弾となる左越え９号ソロを浴び、ビハインドは３点となった。

　ソフトバンクは８回に粘り腰を見せた。１死二、三塁から山川が右越えの３４号同点３ラン。打点を９８として２位のソト（ロッテ＝８８打点）に１０差をつけた。３４本塁打も２位・レイエス（日本ハム＝２５本塁打）との９差をキープ。西武時代の２２年以来となる本塁打、打点の２冠は疑いのないところだ。山川は報道陣からソトとの打点差を聞かされ「あと何試合ですか？」と逆質問（ロッテは残り５試合）した。

　続いて対日本ハム７連敗についても言及した。「全く関係ないです。そもそもギーさん（柳田）とコンちゃん（近藤）がいないじゃないですか。（日本ハムを例にすれば）清宮、レイエスがいないみたいな話じゃないですか」とポストシーズンを見越し、主力未満の戦力を底上げするモードの現状、勝敗を引きずることはないと強調した。

　さらに２死無走者から途中出場の海野が右中間二塁打で出塁。ここで柳町が中越えの勝ち越し適時三塁打を放ったが、白星には結びつかなかった

　周東佑京は３回の守備から途中交代した。２回、二盗に失敗した直後、下肢を気にするしぐさを見せていた。小久保監督は「あんまり良くないかもしれない。これからちょっと考えます。ＣＳで万全にするのが一番なので」と２９日以降は戦線を離脱の上、治療に専念させることを示唆した。周東本人も「まあまあＣＳに向けてじゃないですか。いい状態で入れるように。左膝です。（ＣＳまで）時間あるし。大丈夫です」と説明した。

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