ソフトバンクVの原動力FAコンビの裏にも隠れた主役 ”育成三銃士”の台頭導いたフロントの英断…金村義明氏が分析

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2024.9.24(火) 05:30

5回2死一、三塁、川村友斗が右線適時二塁打を放ち、二塁上でガッツポーズ(カメラ・馬場 秀則)

◆パ・リーグ オリックス4―9ソフトバンク(23日・京セラドーム大阪)

 リーグ制覇の最大の原動力は山川、近藤のFAコンビだが、脇を固めた若手の台頭も見逃せない。仲田、緒方、川村の育成三銃士や私の報徳学園の後輩の佐藤直ら、支配下登録に昇格した苦労人の活躍も目立った。球界初の4軍制を導入したフロントの英断と、現場の柔軟な起用がかみ合ったペナント奪回だった。

 昨季まで2軍で指揮を執っていた小久保監督の手腕も見逃せない。6月にはギータ2世と呼び声の高い笹川を昇格させると、スタメンで起用。プロ初アーチを放ったと思ったら「2軍で打席に立った方がいい」と、約1週間で降格させていた。吉田、石塚、広瀬らも同じように1、2軍を行き来させているが、目先の勝利を追いつつも、個々の選手の課題を的確に見極め、働き場を与えている。

 今年1月にパ・リーグの監督が集まった座談会で、小久保監督はオリックス・中嶋監督に「紅林をなぜ使おうと思ったのか」と質問していた。選手を抜てきする上での我慢や信念を聞きたかったようだが、敵将にまで耳を傾ける姿勢には感服した。モイネロ、大津の先発起用にしても、倉野投手コーチの考えを踏まえての判断だったようだし、周囲の意見を取り入れる姿勢は、侍ジャパンの監督やヘッドコーチを歴任してきた経験の賜物(たまもの)だろう。

 ホークスと言えば巨大戦力に注目が集まるが、柳田、オスナの負傷離脱など、想定外のアクシデントも相次いだ。それを全く感じさせないぶっちぎりでの優勝。主力不在を補ったナインが、主役を張れるまで成長してくれば、また黄金時代が訪れるはずだ。(スポーツ報知評論家・金村義明)

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