ロッテ・唐川侑己が語る奪三振が増えた要因
ベースボールキング
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2024.9.10(火) 08:30
ロッテ・唐川 (C)Kyodo News
◆ 前回登板ロッテの唐川侑己が18時から行われるオリックス戦に先発する。
前回登板の8月28日の西武戦は、「点取られたところと1回、2回とちょっと色気付いてというか、綺麗に抑えようとしすぎた」と初回に3点を失うも、「そこら辺は考え方を変えて3回以降はできたかなという感じですね」と2回以降はスコアボードに0を並べ、6回・100球を投げ、7被安打、6奪三振、0与四球、3失点で勝ち負けつかずという内容だった。
「どれくらいカットボールを投げられるかというところで、序盤チェンジアップが多くなったりとかカウントが悪くなったりとかが多かった。もう1回原点に帰って、カットボールをしっかり左バッターの内に突っ込んでというところの意識がありました」と、序盤はカットボール、チェンジアップを中心とした配球となったが、4回以降はチェンジアップを投げたのはわずかに1球だった。
◆ カットボール
唐川の最大の武器であるカットボールは、1-3の2回先頭の元山飛優を3ボール2ストライクから8球目の外角140キロカットボール見逃し三振、1-3の4回二死一塁で古賀悠斗に1ボール1ストライクから3球目のインコース138キロ見逃しカットボールが良かった。唐川本人も「そうですね、比較的三塁側のボールはコントロールできていたかなと思います」と納得の表情。
浮き上がるようなカットボールも投げていたが、その真意について訊くと、「元々低めを狙っていないので、という感じです」と説明し、「ホームランを打たれたボールは外のボールだったので、バッターの打てる球ではあったのかなというところで反省点ではありますね」と語った。
0-1の初回無死二塁で西川愛也に投じた初球の高めカットボールをライトスタンドに運ばれたが、あのボールは、唐川が取材で口する“フライアウト”で打ち取りたかったボールだったのだろうかーー。
「もっとファウルを取れるかなと思って投げたボールがちょっとスッといきすぎてバチンと打たれたという感じですね」。
そのカットボールも2回以降は修正し、投球を支えた。
◆ スライダー、カーブ
この日、1-3の4回に先頭の外崎修汰を132キロのスライダーで空振り三振、二死一塁から古賀を130キロのスライダーで空振り三振に仕留めるなど、右打者にはスライダーが多かった印象。
「スライダーに関してはずっとやってきている、チャレンジしていることで、西武戦はいい感じで投げられた。コントロール、抜ける球もなかったですし、いい球が投げられたと思いますね」。
カーブも1-3の3回二死走者なしでガルシアを2ボール2ストライクから118キロの空振り三振に仕留めた球が良かった。「カーブのコントロールもしっかりできていたので、その中で低めにいい球を投げられたかなと思います」。
◆ 奪三振増、与四球減
今季の唐川はカットボールを軸に、スライダー、チェンジアップ、カーブをカウント球、決め球に使うことができる。
「そうですね、トータルで抑えていくピッチャーなので、どの場面でもどの球を投げられるというのが目標にしている。その時の調子、調子で良い球を選択してという感じ。どういう位置付けという役割は設けていないですね」。
今季は5試合・27イニングを投げて、23奪三振、奪三振率は7.67で、現時点ではプロ入り後、最も高い奪三振率。色々な球を操って抑えることができるのも三振の多さにつながっているのだろうかーー。
「そうっすね、前提としてカットボールで差し込めているかというのがあると思うんですけど、その中でタイミング、ここでこういう球を投げるタイミングがうまくハマれば三振が取れる。そういった部分でコントロールに関しては今年はそこまで困っていない。それが要因かなと思います」。
三振は場面によって狙うときもあるが、「なかなか空振りで三振を取れるタイプではないので、タイミング、カウントが合わないと。種市とかみたいに三振を取れるピッチャーではないので、そんなに三振は重要視していないですね」と、基本的には三振で打ち取ることは考えていない。
奪三振の多さもそうだが、与四球もわずかに1つと抜群の制球力を誇る。8月11日取材で先発と中継ぎでの違いについて「先発はある程度ヒットを打たれてもいいと思いながら投げている場面もありますね」と話していた。“安打を打たれてもいい”という考え方も関係しているのだろうかーー。
「う〜ん、そうですね、とにかく積極こっちから勝負していくというのを思っているので、それがその結果、四球が少ないのかなと思いますね」。
今季先発した4試合全てでクオリティスタート(6回以上自責点3以内)と圧倒的な安定感を誇る。伝家の宝刀・カットボールを投球の軸に、様々な球種を使って今夜もオリックス打線を封じていく。
取材・文=岩下雄太