【ロッテ】15年のサイ・ヤング賞左腕カイケルが待望の来日初勝利「ホッとしているし、勝てて本当にうれしい」

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2024.9.5(木) 22:51

観戦した家族にボールを掲げるカイケル(カメラ・越川 亘)

◆パ・リーグ ロッテ3―1楽天(5日・ZOZO)

 ロッテの新助っ人で15年のサイ・ヤング賞左腕のダラス・カイケル投手が、5回3安打1失点の好投を見せ、来日4度目の登板で待望の初勝利を手にした。応援に駆け付けた愛妻の前で、節目の白星を飾り、「ホッとしているし、勝てて本当にうれしい」と目を細めた。

 中5日が基本の左腕は、試合日程の都合で今季初めて中6日でマウンドに上がった。初回は自慢のツーシームで2者連続空振り三振に仕留めると、3番・辰己に四球を与えたが、無失点で上々の立ち上がり。1点リードの3回には1死満塁のピンチを招くと、二ゴロの間に同点の生還を許したが、最少失点で切り抜けた。

 打線は2回に友杉の左前適時打で先制すると、同点の3回にはソトがチーム10試合ぶりとなる勝ち越し2ランを放ち、3―1に。2点リードの6回からは横山、国吉、鈴木、益田と継投してリードを守り切った。

 カイケルは今年7月末に入団が発表され、8月17日のソフトバンク戦(みずほペイペイD)で5回3安打2失点でNPBデビュー。来日3度目となった前回登板の西武戦(同29日)は本拠地デビューで、来日後初の屋外球場。マリン独特の風などに苦しみ、5回6安打2失点で初黒星を喫していた。ここまでは3度先発しているが、味方の援護が3戦で計2点にとどまり、いまだに勝利を手にできていなかった。

 経験豊富なカイケルの加入がチームに与える影響も大きい。サイ・ヤング賞左腕に指導を受ける選手の姿も見かけるといい、吉井監督は「彼の投球スタイルはなかなかまねできないと思いますが、マウンドでの立ち居振る舞いとか戦い方。やっぱりサイ・ヤング取るぐらいなので、すごいものを持っている。実際に試合中は話しかけられないぐらいおっかない。人のこと言えないか(笑い)。それぐらいうちの投手も、やっつけてやるという気持ちを前面に出して欲しい」と、他の投手陣にさらなる奮起を期待した。

 MLBの13年間では最多勝など数々の記録を残したが、自身初のNPB勝利球にカイケルは「初勝利はメジャーでも、マイナーでも特別。今日、9月5日は忘れられないと思う」と喜びを隠せなかった。CS切符を争う4位・楽天との4連戦のカード頭を取り、ゲーム差は3・5。新たな一歩を踏み出した左腕は、お立ち台で「CSに出場して、みなさん共に日本一を勝ち取りましょう」と、ファンに共闘を誓った。

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