【オリックス】肉体改造で狂った歯車を再調整期間に修正 昨季新人王が苦難乗り越え379日ぶり星
スポーツ報知
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2024.8.19(月) 04:00
◆パ・リーグ オリックス5―2日本ハム(18日・京セラドーム大阪)
オリックス・山下舜平大投手(22)はお立ち台で言葉を詰まらせ、感極まった。「泣いてはいないですよ。でも、危なかったです」。5回2安打1失点の力投で今季9登板目にしてつかんだ初白星。昨年8月5日の西武戦(ベルーナD)以来、379日ぶりの勝利の味は何物にも代えがたかった。
「勝たずにシーズンが終わることだけは嫌だった。目に見える結果がやっと出たので、ひとまずうれしい」
立ち上がりは制球が乱れ、日本ハム打線の待球作戦に苦しんだ。それでも、2四球などで招いた2回無死満塁を最少失点でしのぎ、3回はカーブ中心の配球で3者連続三振斬り。その後は「空振りもたくさん取れた。いい球だった」と、“復活”した最速157キロの直球もさえ渡って、9奪三振だ。中嶋監督は期待するからこそ「これでよしとはしない」とさらなる奮起を促した。
昨季はプロ初登板開幕投手から9勝を挙げ、新人王を獲得。しかし、オフに腰痛のリハビリと並行した肉体改造で6キロ増の106キロまで増やした挑戦が裏目に出た。開幕ローテ入りも、4月20日に2軍降格。持ち味のホップする直球が影を潜め、シュート回転が目立った。空振りが奪えず、ボールの制御も利かなくなった。
「けがをしたこともあって、体重を増やして可動域や柔軟性が戻らなかった。上からボールをたたけずに『なでる』ように投げていた」。再調整期間で取り組んだのは肘が下がり、低くなっていたリリースポイントの修正。原点回帰のショートスローを繰り返し、4キロほど減量した。リリーフ配置転換も経験。遠回りはしたが、「野球を楽しむ」ポリシーを貫き、心身ともに「少しは大人になりましたかね」と一皮むけた。
残り35試合。チームは4連勝で5位からの逆転CSへ、必死に戦っている。「こういう状況にあるのも自分の責任。少しでも多く貢献したい」。モンスター右腕の逆襲がようやく始まる。(小松 真也)
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