【球宴手記】初出場の日本ハム・水谷瞬「ここまで来られると思ってなかった」去年の今頃は「湯布院で…」
スポーツ報知
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2024.7.24(水) 05:00
◆マイナビオールスターゲーム2024 全パ6―11全セ(23日・エスコンフィールド)
プラスワン投票で球宴に初選出された全パの日本ハム・水谷瞬外野手(23)がスポーツ報知に独占手記を寄せた。昨年まで1軍出場ゼロながら現役ドラフトで加入し、交流戦で首位打者とMVPを獲得。「1番・右翼」で3打席3三振に倒れたが、万感の思いを口にした。
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初のオールスターは3三振でした。愛知に住む両親が初めてエスコンに応援に来てくれて、1番だったので初球からバットが折れるのだけはやめなあかんなと(笑い)。後悔なく、という気持ちで楽しめました。前半戦だけで1軍デビュー、初ヒット、初ホームラン、交流戦MVP、球宴…。ここまで来られるとは、思っていなかったです。
毎年この時期は自分にとっての夏休みでした。去年は湯布院で温泉を満喫してたっすね。今年は中間投票からファイターズの“球宴ジャック”で盛り上がっていて「来年は」ここに名を連ねたいなって。6月下旬までそう思ってました。お世話になった小久保さん(22、23年はソフトバンク2軍監督)からも「本当に考えられへんな」と今日、声をかけられました。
1年前は1軍どころか2軍の開幕戦にも出ていなかった。前半戦だけで3軍降格も2回、味わいました。ただ、下は向かなかった。4年間やってきたことへの自信もあったので「まだやれる」と。1軍がゴールじゃない、日本がダメでも、韓国、アメリカ、メキシコ、野球ができる場所はあるなって。腐らずやってれば誰かの目に留まる。そう信じて“就活”の気持ちでプレーしていたことを覚えてます。
キツいことが多かった5年間。気付いたらサンドバッグを買っていたこともありました。寮生だった2、3年目の時かな。うまくいかない日々にムカつきすぎて、部屋で一人、ボクサー用のサンドバッグを殴って…。現役ドラフトで環境が変わって「一から出直そう」という気持ちになれた。移籍は間違いなくきっかけの一つでした。
その中でも(2軍打撃コーチの佐藤)友亮さんとの出会いは大きかったです。2月のキャンプ。少しだけ打撃の話をしてもらった翌日に、紅白戦でホームランを打って。2軍にいた4月下旬は、構えに入る前にバットを高く上げてバットの先端を見つめるルーチンを教わりました。「打ちたい」と、はやる気持ちを抑えるのが狙いで「上を向いてから投手を見ると視野が広がるよ」と。助言された次の打席から2打席連発。可能性を信じて指導し続けてくれたこの人に「ついていこう」と思いました。
去年までは三振したら3打席目以降なし、打てなかったら次の日はベンチ、そういう危機感から当てることに必死でした。バットを短く持ってライト前、内野安打でいい、それぐらいの気持ちだったんです。2軍でキャリアハイ4発だった自分が、今年は1軍で4発。ファイターズに来て「こんなもんじゃないよ」と友亮さんが信じてくださり、結果で応えたいと思いました。
チャンスをいただいている新庄監督にも感謝しています。理想の選手像は「40(発)&40(盗塁)」。オールスターは全員が出られる舞台じゃない。また選んでいただきたいと思える一日でしたし、球界の顔を目指したいと思いました。(日本ハム外野手)
◆水谷 瞬(みずたに・しゅん)2001年3月9日、愛知県生まれ。23歳。島根・石見智翠館では高校通算21本塁打も甲子園出場なし。18年ドラフト5位でソフトバンクに入団。5年間で1軍出場なし。23年12月の現役ドラフトで日本ハムへ移籍。6年目の今季は前半戦終了時で52試合、打率3割9厘、4本塁打、28打点、得点圏打率4割1分3厘。193センチ、99キロ。右投右打。年俸560万(推定)。
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