【オリックス】デビューから22戦連続無失点 ドラ6古田島成龍、獲得の裏にあった担当・岡崎スカウトの「一目ぼれ」
スポーツ報知
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2024.7.9(火) 05:00
オリックス・古田島成龍投手(25)が開幕から好リリーフを連発している。4月6日のロッテ戦(ZOZO)でプロ初登板を果たすと、6月23日の西武戦(京セラD)でデビューから22試合連続無失点のプロ野球タイ記録に到達。新記録こそ逃したが、その後再び3試合連続無失点で、ここまで26試合1勝13ホールド、防御率0・38の好成績だ。ドラフト6位指名からの大躍進の背景にある、スカウト陣と古田島の思いに迫った。(取材・構成=長田 亨)
古田島が在籍する日本通運には昨年、複数のドラフト指名候補がいた。担当のオリックス・岡崎大輔スカウト(25)は21年に現役を引退し、スカウトに転身して2年目。昨年3月に視察した創価大とのオープン戦を機に「球の強さ、気持ちの強さを感じました。彼の目の輝きにもほれました」と魅力に引き込まれていった。
年齢は古田島のわずか1学年上。獲得への熱意は半端ではなかった。「彼がマウンドに立つと、チーム全体が盛り上がるんです。この選手と、縁を持ちたいと思いました」。底抜けに明るい性格と、のちに「♯古田島優勝」などと注目されるようになる気迫満点のスタイル。「毎日でも投げます! チームのために全力で腕を振りますよ」という強いマインドにも引かれた。
スカウト陣を束ねる牧田勝吾編成部副部長(50)は「各担当スカウトの思いを大事にしたいですし、ほれた選手を推してほしいので」と振り返る。岡崎スカウトとも面談を重ね「この投手は? この投手は?」と評価を入念に確認。同スカウトは「古田島です」と全くブレることがなかったという。限りなく理想に近い形で、球団の方針と合致した一人が古田島だった。
昨オフはエースの山本がメジャーへ挑戦する可能性があり、左の山崎福も国内FA権を取得していた。先発2枚が抜けるケースを想定すれば、即戦力投手が必要だった。結果的に1~4位が高校生で、5~7位が社会人投手とメリハリの利いたドラフトに成功。古田島には背番号97が与えられた。同じ社会人からドラフト10位でプロ入りし、本塁打王に輝いた杉本も背番号99。「出世番号にしてほしい」と球団の意図を聞き、「めちゃくちゃ気に入りました!」と声を弾ませた。
熱血ルーキーは開幕から1軍の舞台で戦い続け、平野佳や山崎、宇田川らを欠くプルペンを支える。「たくさんの選手が1軍の試合に出られて、活躍できる理由は何だろう?って。オリックスというチームに、僕自身もずっと興味があったんです。ユニホームも格好いいですしね」。スカウトとの相思相愛が生んだサクセスストーリー。第2、第3の古田島が生まれても、何ら不思議ではない。
◆古田島 成龍(こたじま・せいりゅう)1999年6月29日、茨城県生まれ。25歳。取手松陽高でエースだったが、3年夏は右肩痛で一塁手。中央学院大では2年春から登板し、4年秋の明治神宮大会で優勝に貢献した。日本通運では23年の都市対抗で8強入り。同年ドラフト6位でオリックス入団。最速152キロの直球を武器にカットボール、チェンジアップ、フォークなどを操る。名前の「成龍」はジャッキー・チェンの香港名と同じ。175センチ、85キロ。右投右打。年俸700万円(推定)。
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