ロッテ・小野コーチ「まだまだ競争して欲しい」ここまでの救援陣を振り返る

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2024.6.21(金) 09:57

ロッテ・小野晋吾投手コーチ(撮影=岩下雄太)

◆ ここまでのリリーフ陣

 ロッテは現在31勝27敗5分、首位・ソフトバンクと9ゲーム差の2位につける。21日からリーグ戦が再開するが、小野晋吾投手コーチに開幕から交流戦までのリリーフ陣を振り返ってもらい、今後についても語ってもらった。

 ロッテのチーム救援防御率は3.68。守護神・益田直也、昨季44試合に登板して防御率1.25をマークした西村天裕、昨季38試合に登板した横山陸人がシーズン序盤にファーム落ち、昨季ブルペンを支えた坂本光士郎、東妻勇輔は開幕二軍スタート。さらにメジャー通算114試合に登板した実績のあるコルデロは、ここまで一軍登板がない。台所事情が苦しい中で、鈴木昭汰が今季ここまで25試合に登板して自責点0、21年優勝争いした時にセットアッパーとして支えた国吉佑樹は19試合に登板して防御率2.29の成績を残している。昨年から勝利の方程式を固定せず、複数の勝ちパターンで逃げ切る形を採用し、今いるメンバーをやり繰りしながら、星を拾っている。

 5月14日のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけて15戦連続負けなしの期間があったが、この間、接戦が多く、リリーフ陣を多く使ったが、3連投した投手はなし。特に5月28日の週は引き分けが2試合、5月31日、6月1日の阪神戦も延長戦を制して勝利するなど、1週間6試合のうち4度延長戦を戦ったが、3連投、1週間に4登板以上した投手は1人もいなかった。

 小野コーチは「そうですね、その辺は監督と相談しながらその中でうまく回していたんですけど、あれだけ延長が続くと苦しい台所事情の中でも中継ぎ陣が頑張ってくれて引き分けで終わることができていた。後半ちょっとみんなバテたというか、ガクッときたところが来たと思うんですけど、その中でもうまく回しながら入れ替えもしながら、(交流戦が)終わる間際は入れ替えをしながらできたのは良かったと思います」と振り返った。

 ブルペン陣を支えていた岩下大輝が6月7日、中村稔弥が6月8日、澤田圭佑が6月10日が一軍登録抹消され、東妻、横山、澤村拓一、廣畑敦也などが一軍に上がってきた。交流戦終盤での一、二軍の入れ替えは、試したいリリーフ陣がいたからなのだろうかーー。

 「そういうのを含めて疲れが出てきていたというのもありますし、その辺を若手に限らず、東妻とかやってもらわないと困る選手を入れ替えてみたところですね」。


◆ 八木、東妻の7回での起用意図

 複数の勝ちパターンを採用する中で、4月19日の日本ハム戦ではビハインドゲームでの登板2試合いずれも1イニングをパーフェクトに抑えていた八木彬が3-1の7回に登板するもレイエスに一発、水野達稀に同点の適時三塁打を浴びた。6月12日のDeNA戦でも3-2の7回に登板した東妻が6失点を喫した。勝ち試合の7回に起用した八木、東妻は、その前の登板できっちりと抑えていた部分も加味しての起用だったのか。

 小野コーチは「そうですね。やってもらわないと困る選手たちなので、いい場面で投げていかないと経験値は上がらない。そういうところで結果を残せるピッチャーだと思って、こっちは任せたので、その中でちょっとやられましたけど、これを次の経験に活かしてもらわないと困る。そういう場面があったら、監督も若い選手を育てるために、どんどんチャレンジさせていきたいと話しているので、とにかくみんなでカバーしあって勝ちに繋げられるようにしていきたいですね」と明かした。

 八木は降格後の取材で、「上でここ一番というところで三振が少なかった。そこのところ三振率を増やしていきたいなという感じです」と掲げた。八木だけでなく、菊地吏玖も「しっかり少ない球数で三振を取るというのは継続やっていきたい」と話すなど、ファームでプレーする選手たちの多くが“奪三振”を口にする。

 ファームに落ちる際、投手コーチ陣からファームで三振を多く取るようにと伝えているのだろうかーー。

 小野コーチは「監督も言われているのですが、ファームではとにかく狙って三振を取れるようにしてきて欲しいということは、常々仰っている。やっぱり勝負どころでしっかり勝負できる球もそうですし、狙って(三振を)取れるピッチャーになっていかないと、一軍では通用しないと思うので、そこは意識してやってくるようには常にファームに行く時に伝えていますね」と教えてくれた。


◆ 若手の台頭を!

 6月21日からリーグ戦が再開する。投手陣を中心とした守り勝つ野球で白星を重ねるチームカラーなだけに、リリーフ陣の出来、不出来が今後のチームの明暗を分けていきそうだ。

 小野コーチは「データを取ったり、見極めながら、うまく回していきながら、勝ちにつながるようなゲーム作りをしていけるようにしていきますし、その中で誰か出てきてほしい。それが若い選手だといいなと思います」と、今後に向けて若い選手の台頭を待ち望んでいる。

 「(鈴木)昭汰も頑張っていますし、横山もやっとちょっと兆しが見え始めているので、去年まで頑張っていた澤田、西村、岩下、中村稔弥だったり、その辺に頑張って欲しいところがある。状態が上がってくれば、去年ぐらいの中継ぎでしっかり固まっていけると思うので」。

 「勝ちパターンで投げるところが定まっていないところがある。その中で若手がグッと押し上げる選手が出てくれば。まだまだ競争して欲しいなと思います」。

 今一軍にいるリリーフ陣に加え、ファームで調整中のリリーフ陣が戻ってきた時にはさらに層が厚くなるし、調子の良し悪しですぐに入れ替えも可能になる。一、二軍を含めて、レベルの高い競争がリリーフ陣のレベルがアップする。

▼ 主な救援陣の投球成績 ※リリーフの成績のみ
鈴木昭汰 25試 1勝0敗10H3S 防0.00
澤田圭佑 20試 2勝1敗8H0S 防3.79
国吉佑樹 19試 2勝0敗6H1S 防2.29
澤村拓一 18試 0勝1敗10H0S 防3.86
益田直也 18試 1勝2敗3H9S 防3.78
坂本光士郎 13試 0勝1敗7H0S 防1.46
岩下大輝 11試 2勝0敗2H0S 防0.87
中村稔弥 11試 1勝0敗0H0S 防3.72
横山陸人 11試 1勝1敗2H2S 防3.60
西村天裕 10試 0勝0敗5H0S 防8.38

▼ 3連投した投手(移動日挟む3連投は含まない)
なし

▼ 1週間に4登板以上した投手
なし

取材・文=岩下雄太

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