【西武】渡辺GM「何でオレ?」から始まった監督代行 Aクラスまで14・5差も「絶対に諦める数字ではない」
スポーツ報知
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2024.6.21(金) 06:00
西武・渡辺久信GM兼監督代行(58)が、リーグ戦再開を前にスポーツ報知の単独インタビューに応じた。成績不振で休養となった松井稼頭央監督(48)の後を受け、交流戦から監督代行に就任。11年ぶりに指揮を執った交流戦は2年連続の最下位に終わったが、リーグ戦での巻き返しへ「まだまだできる」と意気込んだ。(取材・構成=秋本 正己)
11年ぶりにユニホームを着た交流戦は4勝14敗に終わり、借金25と苦しい戦いが続く。5月26日の監督代行就任決定時に「野球人生をかけて挑んでいきたい」と誓ったが、決断まで逡巡(しゅんじゅん)したという。
「『GMしかいない』と話をもらった時、『何でオレなんですか?』と。(GMとして)すごく責任を感じているし、初めはためらった。選手、ファンを含め、このままではダメだというところがあって、何とかオレが引っ張っていこうと。やるしかないと。何をもってプロ野球人生をかけるか、オレにしか分かっていない」
Aクラス入りを現実的な目標に掲げる中、チーム打率2割2厘、総得点143はともに12球団ワーストで攻撃力の底上げが課題。外崎、蛭間、アギラーら故障者が多いとはいえ、今年41歳になる栗山、中村剛の疲労度を考えると2人に頼りすぎることは避けたい。
「これだけの借金を返すには大きな連勝が必要。そのためには点を取らないと。好機を多くつくって主導権を握る展開を増やし、先行逃げ切りの試合を増やす。やはり先制点。追いかけて逆転して勝つ確率は低い。故障者が早く戻ってくれればいいが、いつまでもクリ(栗山)、おかわり(中村剛)をずっと試合に出しておきたくない」
1次政権時の11年は8月終了時で最下位も9月に19勝を挙げ、最終戦で3位を決めてCSに進んだ。チームの長所は先発陣。高橋の開幕7連敗、平良の離脱は誤算だが隅田、武内が4勝。3勝の今井も安定している。
「これまでの経験から、いきなり試合を壊すチームは弱かったが、ウチは先発陣もいいからそれがない。ということは(逆襲の)可能性がある」
投手力を前面に出した先行逃げ切りの勝ちパターンを逆襲の一手とするが、しつこさに欠ける打者にも意識改革を求める。
「初回は相手投手も不安な状態だが、出はなをくじきたいところで攻撃がちょっと淡泊。安打でなくても四球でも出塁できる。1球でも多く投げさせて嫌らしい打者になれば、嫌らしい野球もできるはず」
3位まで14・5ゲーム差と極めて厳しい状況だが、実際にユニホームを着て手応えも感じている。
「GMとして戦力的に何が足りないか客観的に見てきたが、ベンチに入って『まだまだできる』という感覚はある。絶対に諦める数字ではない」
8連敗を喫した11日の広島戦。最後の打者になった源田は一塁へヘッドスライディングしたまま動けず、駆けつけた今井は涙した。勝利に飢える選手の思いを肌で感じ、闘争心もさらに湧いている。
「みんな勝ちたい気持ちは持っているし、ファイティングポーズを取っていこうと話している。何かをきっかけに、いい方向に向けば」
◆渡辺 久信(わたなべ・ひさのぶ)1965年8月2日、群馬県生まれ。58歳。前橋工から83年ドラフト1位で西武入団。最多勝3度など黄金期を支え、98年ヤクルト移籍。99年から台湾で選手兼コーチを務め、2001年引退。西武の2軍監督などを経て、08年に監督就任1年目で日本一。13年限りで退任し、同年オフからシニアディレクター、19年からGM。通算389登板で125勝110敗、防御率3・67。右投右打。愛称はナベQ。
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