【オリックス】由伸も推すネクストブレイク選手がプロ初勝利「うれしい気持ちが一番」紅林から受け取った記念球の行き先は

スポーツ報知

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2024.6.9(日) 05:00

◆日本生命セ・パ交流戦 巨人0―5オリックス(8日・東京ドーム)

 オリックス・斎藤響介投手(19)は、先輩たちにお辞儀を繰り返した。「ホッとしたというより、うれしい気持ちが一番」。通算5度目の先発でプロ初勝利。交流戦で、パの投手が巨人戦で初星を得たのは22年の根本(日本ハム)以来2人目。10代での巨人戦白星は、球団では昨季までの絶対的エース・山本(ドジャース)、宮城以来だ。ヒーローインタビューでは、込み上げてくるものがあった。「たぶん興奮してですかね」と目を少し赤くした。

 5回、86球、1安打。特徴的な小さいテイクバックから、1球1球に気持ちを込めた。4回無死一、二塁では「弱気にならず、強気で」と自己暗示。坂本、立岡、大城を退けた。この日は母・敏江さんが初めて観戦。紅林から受け取った記念球を握りしめ「家族に渡したい」とほほ笑んだ。

 5月19日の楽天戦(京セラD)でも5回2/3を無失点。勝利投手が目前だった9回、平野佳が2点リードを追いつかれた。「申し訳ない」。チームはサヨナラ勝ちも、21歳上の守護神に直接謝罪された。レジェンドの思い詰めた表情に背筋を伸ばし、1勝の重みを再確認した。

 投手として歩み始めるまでは内野手を目指していた。「かっこいいな」。憧れはソフトバンクの黄金期を支えた本多、川崎の二遊間。壁当てを繰り返していた。

 高卒2年目。同期入団の日高は、FAの人的補償で広島へ移籍した。「寂しかったですけど、やっぱり暖己(日高)には負けたくない」と同学年のライバルとは2月の宮崎キャンプで食事。互いの活躍を誓い、プロとして一歩前へ出た。

 大谷や菊池、佐々木らと同じ岩手出身で、見た目のままのおっとりした性格。山本がネクストブレイク選手として「斎藤響ちゃん」と推す注目株だ。中嶋監督も「どんどん経験して育ってほしい」と目を細める。チームは4連勝、交流戦も6勝5敗と白星先行。流れを変える新星が誕生した。(長田 亨) 

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