【日本ハム】19年ドラ1左腕が見つけた「やりがい」、背中を押された新庄剛志監督の一言

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2024.5.29(水) 12:03

22日のオリックス戦で今季初勝利を挙げた河野(右は田宮)

 日本ハム・河野竜生投手(25)が22日のオリックス戦(エスコン)で今季初勝利を挙げた。プロ5年目の今季は勝利の方程式を担い、開幕から15試合連続で無失点を記録。躍進するチームを力強く支え、今や守護神・田中正につなぐ不動のセットアッパーとして信頼を勝ち取った左腕が「もっと期待に応えたい」と胸に誓った日がある。

 今季3度目のサヨナラ負けを喫した19日のロッテ戦(ZOZO)。最後にマウンド上にいたのは河野だった。試合前の時点で防御率0・00。「田宮の配球に首を振って投げた」渾(こん)身の内角直球は無情にも左翼席へと吸い込まれた。今季初失点がまさかのサヨナラ弾。「一番やっちゃいけないことをした。そんな簡単に切り替えることではない」。悔しさが充満したまま球場を後にした。

 休日を挟み、本拠地に戻った21日の試合前。外野のセンター付近で汗を流していると、新庄監督が笑顔で歩み寄ってきた。「やり返そう」。絶妙なタイミングでの一言に、指揮官の優しさ、思いやりが詰まっていた。「期待してくれているんだなって。あのタイミングでね。うれしかった。もっともっと期待に応えたい、そう思えた」。直後の試合では1点リードの8回を任され、1回無失点ですぐにリベンジ。3連投となった翌日は勝ち星も舞い込み、敵地での悪夢を完全に断ち切った。

 19年のドラフト1位。先発として期待されながら、入団以降思い描くように結果は出なかった。中継ぎに完全転向した昨季はキャリアハイの50試合に登板し、自己最多20ホールドをマーク。「マウンドに上がる以上、覚悟を決める。一日一日、必死に一人の打者に向かっているだけ」。生き抜く道を決めた今季は、ここまで19登板で与四死球ゼロ、防御率は驚異の0・48を記録。ホールド数14はリーグ2位、球宴ファン投票では中継ぎ投手部門で1位を独走している。

 「抑えて当たり前と言われるポジションなので難しさはあるけど、その分抑えることでチームの勝利に貢献できる。中継ぎのやりがい、充実感はすごく感じているので、いつでも任された時は投げられるように」。

 今月14日には第2子となる長女も誕生。「また頑張らないとね」。30日に26歳となる2児のパパは「覚悟」と「やりがい」を胸に、これからもブルペンの屋台骨を支えていくはずだ。(北海道支局、日本ハム担当・堀内 啓太)

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