【日本ハム】山崎福也が魂の137球で1743日ぶり貯金6 伏見寅威へ贈った初のプレゼント

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2024.5.14(火) 23:54

山崎福也(左)は4勝目を挙げて先制打の伏見寅威といっしょにポーズを決めた (カメラ・上村 尚平)

◆パ・リーグ 日本ハム4―1西武(14日・エスコンフィールド)

 新天地でも“昼男”は健在だった。日本ハム・山崎福也投手(31)が本拠地・西武戦に先発。9回8安打7奪三振1失点で完投し、リーグトップタイの4勝目を挙げた。シーズン2完投はプロ10年目で初。昨季12球団最多、無傷の7勝と無双したデーゲームで再び快投した。チームは今季2度目の4連勝で19年8月6日以来、1743日ぶりに貯金を「6」とし、首位・ソフトバンクとのゲーム差を3・5に縮めた。

 後方から差す光に照らされ、クールな左腕がほえた。9回2死一塁。最後は宝刀チェンジアップで渡部に空を切らせた。自己最多138球に迫る137球で9回1失点。今季初のデーゲーム登板で4月30日以来の完投勝利を挙げ「疲れはありましたけど、うれしい疲労感。ゆっくり寝たいので(デーゲームは)あんまり好きじゃないですけど(笑い)」と充実の汗をぬぐった。

 7回を投げ終えてベンチに戻ると、新庄監督から指で「2」の合図。さらに8回はあと1回を示す「1」のサインが。「ベンチに帰るたびに監督の指が減っていくのを見て、テンションが上がりました。そういう経験がないので、うれしかった。本当に気合が入りました」。無言のメッセージで激励した指揮官は「アイコンタクトで語れるようになってきた。頼もしい」とうれしそうに拍手を送った。

 昨季までの9年間で完投は1度だけ。オリックス時代からコンビを組む伏見は「使える球種、武器が増えた」と進化を語る。特に精度が増したのがカットボールとフォーク。この日もキレ味抜群の2球種を武器に要所を締めた。

 試合前には「さちとら」の愛称で親しまれる伏見に「エルメス」の約30万の高級ブランケットをプレゼント。2日遅れにはなったが、12日に34歳の誕生日を迎えた先輩への感謝を形にした。「結婚をされているので奥さんと一緒に使えるように。自分で選びに行きました」とサイズはあえて大きめのものをチョイス。受け取った先輩は「こんだけ(長年)組んでるのに、アイツ初めてですよプレゼントなんて。結構何年も前から“貢いで”きてるんですけどね。でも、うれしいです」と愛情たっぷりに笑みをこぼした。

 自身も4連勝で、チームは新庄政権最多の貯金6。頼れる勝ち頭は「まだ5月。ソフトバンクを倒さないといけない。優勝を目指す、そういう雰囲気をつくっていきます」。日本一を知る男の視線は既に前を向いている。

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