【ロッテ】12戦連続無失点中の鈴木昭汰 パドレス松井裕樹直伝球を習得中「モノにできたらもう少しよくなる」

スポーツ報知

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2024.5.3(金) 06:30

ロッテ・鈴木昭汰

 開幕から12戦連続無失点中のロッテのリリーバー左腕・鈴木昭汰投手(25)が2日までにスポーツ報知の取材に応じた。20年ドラフト1位で入団し、今年はプロ4年目。今季からパドレスに移籍した松井裕樹投手直伝のフォークにも挑戦中だ。急成長を遂げた左腕が、好スタートの勢いそのままにリリーフ陣をけん引する。(取材・構成=竹内 夏紀)

 覚醒の予感を漂わせる。鈴木は今季、開幕から12試合連続無失点で計15三振を奪うなど、上々の滑り出しを見せている。

 「今年が始まってからは毎日が必死で『1日1日の勝負』という気持ちでやっている。なので、この結果を残してホッとしてるわけでもないし、『焦ってる』というのもまた違う表現ですけど。昨日は昨日、今日は今日、そういう気持ちの切り替えが、抑えていることによってうまくいってる。三振も狙ってるわけではないけど、いい時は三振が取れている。1つ調子のバロメーターとしては見てますね」

 吉井監督も「直球を思うように投げられている」と指摘するように、本人も好調の要因に直球の制球力とメンタル面を挙げた。

 「まっすぐの制球力だったり、変化球の精度が上がってきてるので、そこは1つの要因かなと思うのと、自分の中で投げる前にしっかり頭の中を整理して、何が起きても慌てずにという、余裕を持って投げられている。やっぱり最悪の想定をしておかないと、最悪の時が起きた時に想定外になってしまう。先頭を出した場合とか、チャンスならここに回るとか。頭で考えるだけで、いざマウンド行った時に少し落ち着ける。嫌なことを想像するわけではなく、最悪なことを最悪にしないように考えてます」

 年始にはパドレスに移籍した松井に弟子入りし、自主トレを共にした。チームメイトで前楽天・美馬の紹介で実現。子供時代から憧れる左腕との貴重な時間を過ごした。

 「今年の1月に初めてやらせてもらいました。左ピッチャーの中継ぎでパッと最初に誰もが思い浮かべるピッチャー。しかも中学校時代からずっと目標にしてたピッチャーだった。投球スタイルを真似したりとかもして、近づきたいと思ってやってきたので、自主トレでもすごい僕の感覚と合っていた。松井さんからもらうアドバイスがすごく体現しやすかった。なんか自分の中で『ああそういうことか!』っていう実感がありましたね」

 これまで変化球の持ち球はスライダー、ツーシームだったが、今年は松井から直々に教わった新球種フォークにも挑戦している。

 「やっぱり、真っすぐ、スライダーの他にもう1個武器が欲しかった。僕の課題は変化球でもあったので、フォークがあるだけで違う。(松井さんには)順を追って細かく教えてもらい、自分の感覚と照らし合わせました。あの人のフォークをあの人のように投げることはできないので、感覚、コツを参考にさせてもらってます。(握り方も)そのままそっくりやるのではなくて、動画を見て、もう少しこっちかなとか色々考えた。今は試合で結果を求めながらになるので、進行は少し遅いですけど、フォークは練習中です。それをモノにしたいなと思ってるんですけど、まだまだですね。モノにできたら、もう少し良くなると思いますね」

 法大から20年ドラフト1位で入団。茨城・土浦市出身の巨人ファンで、小学生の時にプロ野球を初観戦した時から、プロ野球選手を夢見てきた。

 「小っちゃい頃、混ぜてもらって楽しかったから野球を始めた。初めて小3か4の時にプロ野球を(球場で)見て、ここでやりたいなと思いました。関東だったので、マリンは1回くらいしかなくて、ほぼ東京ドームに見に行っていた。生で見ると違うじゃないですか。それがすごくかっこいいなって思って、それからずっとプロになりたいなと思っって毎日やってましたね」

 入団当初は“招き猫投法”の元ロッテ・成瀬善久氏をほうふつさせるフォームで話題となった鈴木だが、実は犬派だ。昨年から実家で飼い始めたゴールデンレトリバーのごん汰(1歳7か月)にメロメロ。今春には、実家の庭を“ドッグラン”に改造するほどの溺愛ぶりだ。

 「今年の9月で2歳になります。たまに送られてくる動画とか見て癒やされています。まあ~、かわいいっすよ。(実家の庭がドッグランに?)ドッグランというか、芝生を張り替えて、あとは飛び降りると危ないじゃないですか、腰とか悪くしたら。なので、段差を無くせるようにウッドデッキを作りました。(親孝行?)いや、“犬孝行”ですよ。(実家に)帰る理由が見つかりました(笑い)」

 ◇鈴木昭汰(すずき・しょうた)1998年9月7日、茨城・土浦市生まれ。25歳。小1から野球を始め、土浦霞ケ浦ボーイズで中3夏に全国大会準優勝、ジャイアンツカップ3位。U―15日本代表。常総学院高で甲子園に3度出場し、法大ではリーグ戦通算3勝5敗、防御率3・01。2020年ドラフト1位でロッテ入団。21年4月25日、ソフトバンク戦でプロ初勝利。座右の銘は「不動心」。175センチ、80キロ。左投左打。

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