西武、プロ野球初の引き分けなしの延長15連敗…今季7度の延長戦全て1点差で競り負ける原因は
スポーツ報知
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2024.4.29(月) 05:35
◆パ・リーグ ソフトバンク3x―2西武=延長12回=(28日・みずほペイペイドーム福岡)
西武はソフトバンクに2戦連続の延長サヨナラ負けを喫し、昨年6月15日の巨人戦から延長戦15連敗となった。引き分けを挟まない延長戦15連敗は、1リーグ時代を含めてプロ野球初。ソフトバンク戦の開幕5連敗は1951年以来、73年ぶりの屈辱となった。接戦で競り負ける要因はどこにあるのか。担当の秋本正己記者が「見た」。
信じられない幕切れだった。ベンチの松井監督は、ソフトバンクの選手が歓喜に沸くグラウンドを険しい表情で見つめたまま動こうとしなかった。延長12回2死満塁、1ボール2ストライク。ドローまであと1球の状況から、古市の捕逸で延長戦15連敗が決まるという悪夢。指揮官は「使ったこちらの責任」とかばった。
延長戦は7度を数え、全て1点差負け。総得点はロッテと並びリーグ最少の62だが、借金は倍以上の8にふくらんだ。得点圏打率はロッテの2割5分7厘に対し、1割9分3厘。あと1点を奪えないことが延長戦にもつれ、勝ち越せない一因といえる。
11回1死二、三塁では金子侑、平沼が連続三振。12回1死満塁では外崎が三ゴロ併殺打に倒れた。適時打が理想とはいえ、それ以外も得点の方法はある。3回1死三塁では源田の一ゴロが野選となって1点を取り、8回1死満塁では佐藤龍が右犠飛。場面によってはスクイズなどを仕掛けるのもありか。指揮官は「相手投手のこともあるし、状況に応じて」と話すなど、1点へのこだわりを口にした。
2日連続の競り合いで選手層の差も浮き彫りになった。ソフトバンクは代打の中村晃が同点打を放った27日に続き、中飛に倒れたとはいえ12回にウォーカーが代打で登場。一方の西武は栗山、コルデロが2軍調整中。起爆剤が待ち遠しい。
好材料は、打線が15試合ぶりの2ケタ12安打を放ったこと。松井監督は「打つ方は徐々によくなっている。得点になかなか絡めていないのはもちろんあるんでしょうけど」。好機は増えつつあり、2盗塁を決めたように足も絡めた攻めに光明を見いだそうとしている。先発投手は24試合中17試合でクオリティースタート(6回以上自責3以下)を達成するなど好調。まだ4月。先行逃げ切りのスタイルを確立できれば、巻き返しは十分に可能だ。(西武担当・秋本 正己)
◆記録メモ
西武が延長12回サヨナラ負け。昨年6月15日の巨人戦から引き分けを一度も挟まない延長15連敗。引き分けを挟まない延長の連敗は、これまで40~41年の朝日(40年の球団名はライオン)の14と並んでいたが、西武が初の15連敗となった。延長戦の連敗記録は40~41年の朝日の17(4分け挟む)で、15連敗以上は83年ぶり2度目。また、月間5度の延長サヨナラ負けは史上初。
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