巨人の若林晃弘内野手（３０）と日本ハム郡拓也捕手（２５）の１対１のトレードが１１日、両球団で合意に達して発表された。

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　グラウンド内外で多彩な魅力を発揮してきた若林が新天地に活躍の舞台を移す。

　内野と外野の全てのポジションを守れるユーティリティープレーヤー。いくつものグラブを携え、練習中も内野と外野を行き来するのは日常だった。「困った時にチームから必要とされるように準備するだけだから。チームのためにも自分のためにも」。ましては両打ちでもあり、練習量は他の選手以上に多くなる。「苦だと思ったことはないし、スイッチヒッターだと練習量が増えるとか考えたことすらないかな」と頼もしく語っていた。

　並々ならぬ決意で今季に臨んでいる。ルーキーイヤーから１軍デビューし、２１年には９６試合に出場。ただ、ここ２年はけがの影響も響き１軍での出場機会は減少していた。

「今年だめだったら終わりだと思っている」

　今オフは取り組み方もガラリと変えた。上半身のトレーニングを大幅に増やし、体重も増量。合同自主トレも行ったソフトバンク・近藤から聞いた練習法も導入した。「何か変えないといけない」と、野球人生をかけてもがいてきた。

　チームメートが「とにかく優しい」と口をそろえる性格。今春のキャンプの紅白戦で一塁を守っていた際に打者走者だったルーキーの佐々木と接触し、若林は負傷交代となるアクシデントに見舞われた。紅白戦後の夜に佐々木がわびの連絡を入れると、「俺のことはいいから、気にせずやってくれればいい」と後輩を何より気遣った。そんな男気あふれる３０歳を慕う選手が後を絶たなかった。

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　今年の１月。早朝のＧ球場を訪れると一人黙々とダッシュを繰り返していた。練習後、「新年早々に来ててちゃんと休んでるの？」と記者のことを心配していたが、後々聞くと本人は今年のオフ、元旦に半日休んだだけでほぼ無休だったという。誰よりも休まずやっていたのは若林さんじゃないですか。数年分の忸怩（じくじ）たる思いを力に変えて新天地で暴れてくれるはずだ。

（巨人担当・宮内孝太）

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