◆オープン戦　オリックス２―８中日（５日・京セラドーム大阪）

　オリックス・曽谷龍平投手（２３）が開幕ローテ入りへ大アピールした。先発し、５回を１安打無失点。実戦３試合で１０イニング無失点の充実ぶりだ。日本ハムへＦＡ移籍した山崎福の穴を埋める２年目左腕。視界が一気に開けてきた。

　手応え十分だった。「マウンドで投げている以上は、自分が上だと思っている」。初回２死一塁は４番・中田をフォークで空振り三振。予定は４回だったが、６４球でさくさくと仕事をし、５回のマウンドにも上がった。「疲れもなかったし、いけそうな感じがある」と６イニング目も志願する勢い。６奪三振で二塁すら踏ませず、最速は１５１キロを計測した。

　一昨年のドラフト１位は昨季最終戦でプロ初勝利を挙げたが、３２回２／３で１６四死球と制球面が課題だった。「ストライクゾーンに強い球を投げたら、簡単には打たれないぞ」と助言し続けてくれたのが中嶋監督。「自信を持ってゾーンに強く」と心身をコントロールし、この日を含めここまでわずか２死球と変身を遂げた。

　開幕投手最有力の宮城、山下の侍コンビに東、田嶋を加えた４人が先発の軸。中嶋監督は「ゾーンの中から、ワンランク上を。もうひと皮むけるためには、そういうのもやっていかないと」と各球種のさらなる精度向上を要望した。期待の左腕は「結果を出さないといけない立場ですし、謙虚にやっていきたい」と開幕２カード目の西武戦（ベルーナＤ）へ前進中。２年目のジンクスとは無縁の気配だ。（長田　亨）

　◆曽谷　龍平（そたに・りゅうへい）２０００年１１月３０日、奈良・斑鳩町生まれ。２３歳。中学時代は志貴ボーイズで全国８強。明桜（秋田）では現ロッテ・山口と同期。２年夏に控え投手として１７年夏の甲子園出場。白鴎大では３年春に関甲新リーグ最多奪三振、３年秋に優秀選手賞などを獲得。４年春に無安打無得点試合を達成し、７月のハーレム大会で大学日本代表。２２年ドラフト１位でオリックス入団。通算１０試合、１勝２敗、防御率３・８６。年俸１６００万円。１８２センチ、８０キロ。左投左打。

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