
日本ハム・宮西尚生投手(38)が29日、自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」で、17年目となった沖縄春季キャンプを振り返った。今季から2軍投手コーチに就任した金子千尋氏(40)の指導で激変したチェンジアップについて「UFOのように」と独特の軌道を表現。“レジェンド右腕”の存在の大きさ、そして開幕1軍に向けての意気込みを語った。
沖縄での春季キャンプが終わりました。1か月間で大きく変わったのが、チェンジアップです。転機は2月3日。ブルペンで金子さんから助言を受けました。「できる?」と言われて「やってみます」と。それがばっちしハマりました。
元々チェンジアップは回転をかけずに“抜く”イメージがあった中で、「回転を多くかけつつ、球が行かないように」という逆転の発想を授かりました。球には回転軸があって、今回のは真横にUFOのように回転する感じ。回転数が多いほど、より縦に落ちるという発見がありました。自分でもこれまで改良に改良を重ねてきた球種で、去年からは試合でもたくさん使うようになりました。正直、このままでも別に問題ないと思っていましたが、試しにやってみたら数値的にも良かった。あの助言は大きかったですね。
既にブルペンでは手応えがあります。ただ、チェンジアップは“失敗”した時のリスクが高い球種。リリーフにとって怖いのは、一発です。「1イニングを絶対0に抑えないといけない」。これが中継ぎなので、いい球でもあり、危ない球でもある。例え数値だけ良くても、結局投げる所が悪かったら打たれてしまう。それをどう操れるかがここからの課題です。
金子さんのことはオリックス時代から見ていましたが、2人でしっかり話すようになったのはファイターズに来てから。コーチとなった今も大きな影響を及ぼしてくれていますし、何よりあれだけ実績のある方は、やっぱりいろいろな引き出しを持っています。39歳の年まで現役を続けている人は、どうしても現状少なくなってきている。どういう調整をしてきたか、体の変化に対してどうアプローチしてきたか。合う、合わないは別としても、質問をすれば経験を基にたくさんの方法や答えが返ってくる。そこが自分にとってかなり大きいです。(1軍投手コーチの)武田久さんもそう。数少ない理解者のような感じですね。
今季初実戦となった2月23日のサムスン戦(名護)は1回無失点でした。チェンジアップは1球しか投げられなかったですが、ここからどんどん細かな技術、出力をもう一段階上げていけるようにします。アピールしてやる、という気持ちはプロに入ってからどんな時も変わりません。開幕に一番のピークを持っていけるように、残りの試合もしっかり投げていきます。(宮西 尚生)