【西武】ドラフト1位左腕にプロの洗礼「この失敗を次に生かしていきたい」

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2024.2.28(水) 18:47

1回2死一塁、山川穂高(左)に左翼へ逆転の2ラン本塁打を打たれた武内夏暉  (カメラ・豊田 秀一)

◆球春みやざきベースボールゲームズ ソフトバンク4―3西武(28日・アイビー)

 これもちょっとした縁なのだろうか。西武・武内夏暉投手(国学院大)はちょっとした感慨にふけっていた。相手はファンクラブに入っていたほど好きだったソフトバンク。マウンドには目標とする球界屈指の左腕・和田毅がいる。「何かの縁かなと思います」。昨秋のドラフトではソフトバンクをはじめ3球団が和田を指名も交渉権は抽選の末、西武に。「一歩間違えればホークスの選手だったかもしれないので。僕の前にくじを引いた松井監督が引いていったんで」と小久保監督。いろいろな因縁がからみあって迎えた対外試合初登板、初先発だった。

 「緊張感もありながら」迎えた初回。簡単に2死を取りながら、井上にチェンジアップを左前に運ばれて4番の山川を打席に迎えた。FA権を行使してソフトバンクへ。古巣との初対戦で注目された最初の打席だった。カウント0―1から空振りを狙ったチェンジアップが高めに浮いた。常にアーチを狙う本塁打王2度のスラッガーが見逃すはずがない。きれいな放物線を描いた打球は左中間の芝生席へ。「やっぱり風格というか、とても打ちそうなオーラはありましたし、やっぱり懐が広いなと思いましたね。ど真ん中にいっちゃったので打たれちゃいました」。悔しさを表すこともなく“プロ初被弾”となる2ランを淡々と振り返った。

 それでもただでは終わらない。4回の第2打席。山川がのけぞるほどの速球を内角に投げ込んだ。得意とする右打者への内角攻めから、これも得意とするツーシームを外角へ投げて揺さぶる。最後は内角速球で詰まらせて遊ゴロに仕留めた。「配球を変えながら2打席目は結構、内角を使っていきました。ツーシームは得意な球なので、そこら辺の反応はよかったです」と小さくうなずいた。

 2回にも連打を許して2失点。3回で49球を投げて5安打、3失点も与四球はなし。直球の最速はコンスタントに150キロ前後を記録し、球場表示で154キロ出した球もあった。「この時期で150超えていたら、いい状態できているので、あとは制球できるように」。ツーシーム、カーブ、カットボールといった持ち球も試し手応えをつかんだ。

 「なかなか空振りしてくれない印象だったので、そこは今後の課題なので改善してきたい」と口にしたように三振は奪えなかったものの、評価が下がることはない。「もちろん真っすぐも強いですし、チェンジアップ、ツーシーム、スライダーですかね。ほとんど見たと思うんですけど、いい投手だなと思いました」と山川がうなれば、小久保監督も「将来、球界を背負って立つようなそんな雰囲気はありましたよ。けん制もうまそうでしたしね」と警戒感をのぞかせつつ評価した。

 初戦で勝ちこそつかなかったとはいえ、まだ2月。松井監督は「対外試合で違う相手に投げるのはもちろん初めてなので、逆に打たれて感じることもあるだろうし、こうやったら抑えられたんじゃないかというのもあるでしょうし、そういう意味では良かったんじゃないかなと思います」と開幕ローテーション入りへ向けて調整させていく考えだ。「この失敗を次に生かしていきたいと思います」と武内。もちろん、このまま終わるつもりはない。

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