【ソフトバンク】技ありの“ブルドッグ殺し”って何だ?無人の遊撃定位置に転がす適時打「精度上げます」

スポーツ報知

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2024.2.16(金) 16:13

ソフトバンクのバントシフト練習。無死一、二塁想定で打席の栗原は一、三塁手がチャージしてきたと見るやバスターを試みる(カメラ・田中昌宏)

 ソフトバンクの栗原陵矢外野手が16日、“ブルドッグ殺し”の秘打で高い技術を見せつけた。宮崎キャンプ第4クール2日目で、チームはバントシフトの練習。アウトカウントと走者を想定しながら、のべ42人の打者が打席に入った。

 無死一、二塁のシチュエーションでは、守備側が頻繁に「ブルドッグ」を仕掛けた。一塁手と三塁手が打者に向かってチャージをかけ、同時に二塁手は一塁カバー、遊撃手は二塁けん制のフェイクを入れつつ、三塁カバーに入る守備陣形だ。バントを三塁封殺する可能性が高まるシフトだが、当然、内野はガラ空きになるのでギャンブル性が高い。

 さて栗原だ。前の打席では無死一塁で初球をきっちり投前犠打にした。今回は無死一、二塁。事前に井出竜也外野守備走塁兼作戦コーチから「バントのサインでも、ブルドッグを仕掛けられたらヒッティング」と通達されている。それにしても何球目で仕掛けられるか分からない。高い技術と集中力が求められる瞬間だ。

 投手は育成右腕の小林。その初球だった。遊撃手が二塁けん制のフェイクを入れた瞬間、一、三塁手が一斉に打者に向かってチャージ。さらに二塁手は一塁、遊撃手は三塁へとダッシュした。栗原はバントの構えからバスターに転じると、内角直球に反応。ゴロを遊撃の定位置付近に転がした。当然、そこは無人。普段なら遊ゴロにしかならない打球が、守備陣をあざ笑うように外野へと抜け、貴重な適時打に化けたのだ。

 守備側のトリッキーなプレーを巧みなバットコントロールで無力化した背番号24。「たまたまですよ。決めたっていっても練習なんでね。これからもっと精度を上げていきます」と白い歯を見せた。

 井出コーチは「年に1回あるかないかのシチュエーション。ここできっちり決められるかどうか」と話し、1球で“ブルドッグ殺し”を成功させた栗原をたたえた。山川、ウォーカーの加入で空中戦がフォーカスされがちな小久保ホークス。もちろんそれも心強い。だが小技の集積こそが、僅差を勝ち抜く原動力となるはずだ。

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