台湾から野球留学、高校・大学へてドラフト指名 涙の西武退団まで来日15年...WBC台湾代表、夢の続きは「日台の懸け橋になりたい」【プロ野球12球団去る人】
スポーツ報知
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2024.1.1(月) 12:30
熱い応援が異郷での支えだった。西武・呉念庭(ウー・ネンティン)内野手(30)が打席に入ると、ベルーナドームの左翼席からは名前をもじったブーイングならぬ“ウーイング”が起こった。昨年12月1日の退団会見。「ファンの声援があったからやってこられました」。目頭を押さえ、声を詰まらせた。
台湾で生まれ育ち、高校から岡山・共生に野球留学。第一工大を経て2015年のドラフト7位で西武入りし、左打席でのシュアな打撃に内外野をこなせるユーティリティーさで貴重な戦力となった。「15年間、日本で生活していろいろな人に出会って教えてもらって、絆を感じました」。日本は第二の故郷になっていた。
人懐っこい性格で人望も厚くチームへの愛着も深かったが、WBCなどの国際大会に台湾代表として出場すると望郷の念も高まっていった。「いつかは台湾でプレーして恩返しをしたい。今年がそのタイミングでした」。23年シーズン後、渡辺GMに希望を打ち明け、同僚にも思いを伝えた。
帰郷後は台湾プロ野球でのプレーを希望。代表で侍ジャパンとの対戦も夢見る。「学んだことを生かして日本と台湾の懸け橋になりたい」。26年のWBCでは日本・台湾戦で“ウーイング”が響くかもしれない。
◆呉念庭(ウー・ネンティン)1993年6月7日、台湾生まれ。30歳。高校で岡山・共生に野球留学し、第一工大に進学。15年ドラフト7位で西武入り。23年シーズン後、退団と台湾でのプレー続行を表明した。通算382試合で打率2割2分4厘、16本塁打、108打点。175センチ、80キロ。右投左打。
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