【ソフトバンク】小久保裕紀新監督の描く理想 王イズム継承 「美しさ」の意図は…新春インタビュー

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2024.1.1(月) 05:00

今年の目標を色紙にしたためた小久保裕紀監督(カメラ・渡辺 了文)

 ソフトバンク・小久保裕紀新監督(52)が、新年を迎え、思い描く理想のチーム像を語った。昨年11月の就任会見では「美しさ」を掲げた指揮官。その意図は何だったのか。王イズム継承や若手育成の思い、4年ぶりのリーグ優勝、そして日本一奪回を目指す就任1年目のシーズンに向け、どんなチームをつくり、どう戦うのか―。指揮官が語り尽くした。

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 V奪回に向けた一年が幕を開けた。新監督としてまず見つめたのは、自分たちの立ち位置だ。昨季は首位オリックスから15・5ゲーム差の3位。リーグ優勝から3年遠ざかり、その間、オリックスが3連覇を達成した。それが現実だ。

 「3年勝っていない。我々は常勝チームじゃないというところからスタートしないといけない。決して王者じゃない。そういうマインドで(シーズンに)入らないと。打倒、オリックス。チャレンジャーでいくしかない」

 2年間の2軍監督を経て、新監督に就任した。日本代表を率いた経験はあるものの、NPB1軍の指揮を執るのは初めて。自身の考えるリーダー論は、この2、3年でずいぶん変わったという。

 「強い組織であるため、いい選手を育てるために、給料を払ってもらっている。監督の仕事って何だというのを、ずっと問い詰めながらやっている。古き良きものと、古くさいものを選別しないといけない。“王イズム”継承も言われているし、王会長が我々に求めてきたものはやっぱり必要だと思う」

 プロ野球は勝負の世界。ただ、求めるのは勝利だけではない。明確な理想の組織をイメージした上で、大所帯をまとめるために旗印として掲げたのが「美しさ」だった。その意図はこうだ。

 「自分たちの部署さえ良ければいいっていう集まりで勝っても面白い?と。だから、みんなで同じ方向を向こうよって。全員がアーティストとして携わり、ホークスという作品をみんなでつくり上げていくイメージ。勝つところに向けて、個人が美しさっていうのを少し持ち合わせたチームになればいいなと」

 その手本となるのが、主力であり、ベテランだ。当然、1~4軍の首脳陣の連携も大事になってくる。

 「下は上を見て、まねる。学べる。そういうチームづくりをするのが監督の仕事。見られているっていう意識を持ちながら、1軍はまず若い選手の手本になる軍団であるというとこに持っていく」

 「選手ファースト」も重要なテーマだ。

 「選手のために何が一番かっていう議論をする。選手にいかにいい状態で動いてもらうか準備をするのが我々首脳陣」

 来季のレギュラーには柳田と近藤の2人を挙げ、投手陣は和田と有原の開幕ローテ当確を明言した。一方で、空いているポジションを明確にすることで、若手の台頭を求めた。

 「ある程度我慢しない限り、育ってこないと思います。では、我慢に値するかを誰が決めるのか。それは選手が示してくれるものだと思う。王会長の言葉を借りると、『(若手の頃)お前とジョー(城島)はグラウンドで光っていた』と。そういう選手が出てくれば誰もが認める」

 求められるのは、勝利と育成。覇権奪回への道のりは、決して簡単ではないだろう。それでも、指揮官が描くビジョン通りのチームになれば、おのずと結果は付いてくるはず。常勝軍団、再建へ。ぶれることなく、信じた道を突き進む。

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