元南海（現ソフトバンク）で通算５４勝を挙げた渡辺泰輔（わたなべ・たいすけ）さんが２０日午前３時５３分に敗血症性ショックのため福岡・飯塚市内の病院で死去した。８１歳だった。葬儀・告別式は２１日に近親者で執り行った。

　渡辺さんは慶応から慶大に進み、４年だった１９６４年５月１７日の立大戦（神宮）で東京六大学史上初の完全試合を達成。得意のカーブ、パームの変化球を巧みに操り、８２球で２７人を料理した。２０００年の秋季リーグで立大の上重聡（現・日テレアナウンサー）が東大戦で完全試合を成し遂げるまで、リーグ唯一の記録だった。

　６５年に南海入りし、２年目の６６年にはキャリアハイの１６勝を挙げ、リーグ制覇に貢献。同年の日本シリーズでは４試合に先発。日本一は逃したものの、王、長嶋と真っ向勝負を繰り広げて敢闘賞を獲得した。

　引退後は野球界から離れ、実業家として活動していたが、１８年２月１０日の巨人対ホークスのＯＢ戦（サンマリン）にも出場。元気な姿を見せていた。

　◆渡辺　泰輔（わたなべ・たいすけ）１９４２年７月１３日、福岡県生まれ。慶応では６０年センバツでベスト８。慶大に進み、４年だった６４年春の立大戦で東京六大学史上初の完全試合達成。６５年に南海ホークスに入団し、６６年に１６勝をマーク。１７９センチ、７６キロ。右投右打。

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